料理の味は東と西で全然違う
お雑煮、おにぎり、桜餅、その他諸々、同じ日本でも地域によって食文化には差があります。とくに大きいのは関西と関東の違。だし汁ひとつ取っても味の違いが顕著ですよね。
だし汁は一般的に関東では味が濃く、関西は薄いと言われています。では、その地域差はどのようなものなのでしょうか。
神戸市、大阪市、京都市、伊賀上野市、岡崎市、浜松市、静岡市、沼津市、伊東市、東京都の各都市10軒程度、合計110軒のうどん店を対象に行われた調査結果[※]から、東と西のだし汁の差を違いを3つご紹介します。
1. 西のうどんはだしの色が薄い
各都市のうどんだしの色の分布を見ると、神戸市、大阪市、京都市のうどんは他の地域に比べて色が薄い様子。他の地域は名古屋市、沼津市で色が濃いのが目立ちますが、西のまとまりように比べると分散していますね。
ただしざっくり分けてしまうと西は色が薄く、東は色が濃い傾向にあると言えるでしょう。
2. 東のうどんは食塩濃度が濃い
関西で使用されている薄口醤油が関東でメジャーな濃口醤油よりも食塩濃度が高いのは有名な話ですね。しかし、うどんのだし汁は東のほうが濃い傾向にあるようです。とくに、大阪市に比べて東京都は2倍以上の数値となっています。
東京都は醤油を使う量が多いのでしょうか。減塩という観点から見ると、濃口醤油を使っているからといって安心はできなさそうです。
3. 東のうどんは甘い
ショ糖濃度に関しても西の神戸市、大阪市、京都市に比べて伊東市、東京都のほうが2倍〜3倍ほど高い結果に。西に比べて、東のほうが塩味も甘味も強いようです。東の人は濃い味が好きな傾向にあるのかもしれません。
ただし、中間の静岡県はより東京都に近い伊東市以外はあまり甘味がありません。だしの味は塩味が中心のようです。
同調査ではグルタミン酸、イノシン酸の地域差についても調べられました。グルタミン酸は昆布だしなど、イノシン酸はにぼしなどに含まれる旨味成分です。
グルタミン酸は全地域に渡ってばらつきがあり、一定の傾向は見られなかったそう。ただしイノシン酸については神戸市と名古屋市の2都市、とくに神戸市で有意に高い結果に。これは漁業が盛んな瀬戸内海に面した地域で、にぼしのような小魚がよく利用されるためではないかと考えられています。
どの地域が美味しいかというのは、育った環境や好み、うどん単体の味のバランスによって異なるため一概には言えません。しかし神戸市、名古屋市のイノシン酸2トップは食べてみる価値アリ…かもしれないですね。
参考:だ し汁の東西味紀行
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