普段どれくらいの塩分を口にしていますか?
生活習慣病のリスクと私たちが普段口にする塩分量は密接に関係しています。厚生労働省では「日本人の食事摂取基準(2015年版)」において、ナトリウム(食塩相当量)の推奨摂取量を18歳以上の男性は1日当たり8.0g未満、女性では1日当たり7.0g未満と示しています[※1]。
しかしこれは普段から塩分に気を付けていないとなかなか難しい数値。食品や調味料の食塩やナトリウムといった塩分量はそれぞれの商品に表示されている数値を見れば分かりますが、私たちが実際の料理から摂取する食塩量はどうなっているのでしょうか。
そのようなことを調べた研究結果[※2]があります。
料理の中の食塩量は?
- ごはん・すまし汁・めかじきの煮つけ・蒸し野菜(ピーマン、にんじん)・きゅうりの酢の物
- ごはん・みそ汁・豚肉のしゃぶしゃぶ・かぼちゃの煮物・大根の浅漬け
こちらはいわゆる一汁三菜の献立例となります。研究結果によると、1の献立での調理に使った食塩量は3.7gだったのですが、私たちが実際に口にする食塩量は1.9g。
また2の献立では調理時の食塩量は5.3gで、口にする塩分量は3.7gと測定されました。食塩使用量との差が発生するのは調理に使う鍋や食事後の皿に残ったため。
調理に使用した食塩量のうち、口にする食塩量の割合は1の例だと51.3%、2の例では69.8%となります。献立例に過ぎませんが、調理に使った食塩量のうち私たちが口にするのは約50~70%というのがひとつの目安になりそうです。この数字を多いと見るか少ないと見るかは…あなた次第です。
おまけ:麺類を食べる際の意外な注意点!
この研究では、他に麺類についてのデータにも触れています。3種類の麺(茹でたもの200g)を同じつけつゆによって食した際、私たちが摂取する食塩量を測定した結果がこちら。
・うどん(幅5.5mm、厚さ3.5mm):0.22g
・そうめん(直径1.7~1.8mm):0.68g
・そば(幅1.8mm、厚さ1.5mm):0.43g
同じ分量の麺を食べたとしても、麺の種類によって塩分摂取量は変わってくるのですね。また麺が細いほど摂取塩分量は高くなる傾向にあるのが見て取れます。これは、麺一本一本の表面積が小さいほどつけつゆと絡みやすいからなのでしょうか。
いずれにせよ細い麺を食べる際に塩分摂取量を抑えたいならば、つけつゆの塩分濃度を低くするのが良さそうですね。
※1 日本人の食事摂取基準(2015年版)概要
※2 各料理において実際に喫食される食塩量