手作り野菜ジュースでビタミンCを摂るためのコツ

自宅で野菜ジュースを作ると・・・


栄養分を効率的に摂取するために、家庭で野菜ジュースを摂取している方も多いでしょう。とくに美容や健康目的でビタミンC摂取に注力している方も多いはず。しかし作成した野菜ジュースのビタミンCは、野菜の種類や時間経過などで変化してしまうのです。

ビタミンCには還元型(AsA)と酸化型(DasA)がある

ビタミンCはざっくり還元型アスコルビン酸(AsA)酸化型アスコルビン酸(DAsA)に分類されます。以前は「AsAが酸化してDAsAになるとビタミンCとしての作用がなくなる」と言われていましたが、最近ではDAsAも体内でAsAに変換されることから、総ビタミンC量としては両者の合計で表示されることが多いです。

ただしDAsAの体内における還元率やビタミンC的作用については解明されていない部分も多いため、どちらかといえばAsAが残っていてくれた方が安心といえば安心。

ピーマン、パセリ、セロリ、レタス、キャベツ、ほうれん草、ニンジン、トマト、イチゴの各野菜を使った野菜ジュースにおいてAsAとDasA、総ビタミンC量の変化を研究した結果をもとに、ビタミンC(AsA)を摂取する際のポイントを見ていきましょう。

野菜ジュースを作ったら・・・気をつけるポイント

ポイント1. 時間が経つにつれ総ビタミンCは減少する

野菜にはビタミンCを還元型のAsAから酸化型のDAsAにするアスコルビン酸オキシダーゼという酵素が含まれています。この酵素の働きにより、野菜を切る、すり潰すなどの調理が加えられるとDAsAの含有率は上がっていきます。

調整時に野菜100gにつきAsA200gを添加した各ジュースを25℃で5時間保存したところ、トマトジュースではAsA、総ビタミンC量も安定していましたが、ニンジンジュースでは5時間後、AsAの残存率が27%、総ビタミンC量は74%まで減少したという結果が出ています。

ポイント2. 加熱すると失われてしまう可能性がある

野菜ジュースを温めて飲むという方は少ないかもしれませんが、調整後のジュースにおけるビタミンCは熱に敏感。ビタミンCを含むピーマンジュース60℃のお湯に浸すと、AsA・DAsAの割合自体は変わらないものの、総ビタミンCは約60%にまで減少します。

また500Wの電子レンジでの加熱についての実験では、1分後にDAsAが約30%増加しますが、3分後にはそのDAsAが失われ、こちらも総ビタミンCが60%まで減少してしまいます。ただしそのまま24時間保存した後の再加熱では結果が違ってきます。

ひと手間で、ビタミンC摂取を効率的に

では、経時などに負けずビタミンC(AsA)を摂取するにはどうしたら良いのでしょうか。答えはジュース調整時にレモン汁5%を加えること。レモン汁がAsAの酸化を抑制し、総ビタミンC量の減少も防止してくれます。レモン汁に含まれているビタミンCも摂取できると考えれば一石二鳥ですね。

反対に加えるべきではない食品があります。それは豆乳と牛乳です。ピーマンジュースに3倍量の豆乳を加え25℃で3時間保存すると、豆乳はAsAの酸化を抑制こそすれど総ビタミンC量は無添加よりも減少します。またピーマン以外の野菜ジュースにおいて牛乳を添加したところpHの上昇を引き起こし、DAsAが失われやすくなったことで総ビタミンCが減少したという結果が出ています。

野菜ジュースは野菜の種類や飲むタイミングに合わせて摂取方法を調節することをお勧めします。もちろん作りたてを飲むのが一番のようですので、できるだけ新鮮なうちにいただきましょう。

参考:野菜ジュース調製時の還元型及び酸化型ビタミンCの変化

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