【日本一わかりやすい(当社調べ)】栄養ドリンクとエナジードリンクの違い

前に「リポビタンDは栄養ドリンク（医薬部外品）だけど、MONSTERとレッドブルはエナジードリンク（清涼飲料水）だからそもそも種類が違う」って言ってたよね。

そうそう。これはパッケージを見れば一目瞭然、たとえばリポビタンDは「医薬部外品」って書いてある。でも、レッドブルは缶の後ろに「名称：炭酸飲料」としっかり記載してあるよね。ちなみに炭酸飲料は清涼飲料水の一種。

医薬部外品と清涼飲料水は何が違うの？

医薬部外品は「薬事法（医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律）」で定められていて、「不快感・体臭・皮膚炎の防止」「育毛や除毛」「人や動物の保健を害する生物の駆除」とか決まった目的で使用されるものでなくてはならない。人体に対する影響も「医薬品」より弱いものという規制がある。

対して清涼飲料水は「食品衛生法（飲食に起因する衛生上の危害の発生を防止するために飲食の衛生について規定している法律）」で定められてる。規格は決まっているんだけど、「大腸菌群が陰性でなければならない」とか、「この成分の含有率は●%以下でなけれならない」とか一定の基準をクリアすれば清涼飲料水として認められる[※1]んだ。

つまり医薬部外品は規格内のものしか認められないけれど、清涼飲料水は一定の基準をクリアすればおKってこと。

なるほど、要は規格や法律の厳しさが違うってことね。そんなに大変な医薬部外品を製造するの？

医薬部外品は人体に対してゆるい効能があることを認められてるんだよ。例えばリポビタンDは医薬部外品だから、「滋養強壮・栄養補給」って効果を宣伝できる。エナジードリンクはそれができない。CMでも効果や効能について明確には謳われてないでしょ？

確かに、リポビタンDのCMは「栄養補給」というナレーションが入ったりするけど、レッドブルのCMは映像でとキャッチコピーで「元気になるよ！」ってイメージを持つだけだね。それは大きなメリットかも。

医薬部外品と清涼飲料水の違いはわかったんだけど、栄養ドリンクとエナジードリンクの具体的な違いはなに？

大きな違いは成分かな。肝機能を高める効果があるとされるタウリンが含まれているかどうか。リポビタンDでも一押しされている、目玉成分だよね。人体にも体重の約0.1％含まれていて、様々な働きがあると言われている[※2]。

タウリンは、アミノ酸の一種（含硫アミノ酸）から合成されるんだけど、日本では合成品は医薬品扱いだから、タウリンを含もうとすると「医薬部外品」としての許可が必要になるんだ。

例えば海外のレッドブルにはタウリンが含まれているけど、日本で販売する際には「アルギニン」で代替されている。

ざっくり言うと「タウリンが含まれているかどうか」が栄養ドリンクとエナジードリンクの違いなんだね。

日本のレッドブルはなんでアルギニンに変わっているの？医薬部外品も取れたかもしれないじゃない。

そうなんだけど、それが難しいんだ。医薬部外品は規格内でなければいけないっていうのはさっき説明した通りなんだけど、製造・出荷をする業者がそれぞれ薬事法に基づいた許可を取得しなければならないし、販売する際にも品目ごとに製造販売承認が必要になる。

輸入品だとこれに加えて、海外の製造業者が日本での製造業の許可のレベルの要件を満たしているという認定も受けなければならない[※3]。

日本で医薬部外品の許可を取るくらいだったら、成分を代替してでも清涼飲料水として打ち出したほうが楽だったってことかな？

そういうことだと思うよ。レッドブルは清涼飲料水として売り出したことでプロモーションとしては成功を収めてるから、結果的にはプラスに働いたしね。

なるほどね！栄養ドリンクとエナジードリンクの違いもわかったし、何より尺がないから今回はこの辺で大丈夫です！Bさん、どうもありがとう〜！