冷蔵庫の飲み物で簡単味覚テスト
誰しも一度は、「自分は味が分かる方なのかな?」「もしかして自分は味覚音痴?」といった具合に、自分の味覚力に疑問を持ったことがおありでしょう。味覚の鋭さを調べる方法はいろいろありますが、「かなり薄めた砂糖水を飲む」のように、楽しくできるものではないことが多いですね。
そこで!今日は、冷蔵庫にある、ごく身近な飲み物を使って、自分の味覚の良し悪しを簡単に調べる方法をおしらせします!
牛乳を振って飲み比べるだけ
楽しく簡単に自分の味覚をチェックする方法とは、牛乳を振って飲み比べる、たったそれだけです!
巷で流れる噂の一つに「牛乳は振ると美味しくなる」というものがあります。牛乳を振るだけで本当に味が変わるのかを調べるべく、何もしていない牛乳と、100回振った牛乳(フリフリ牛乳)の味覚を、食べ物の味覚を数値で表せる味覚センサー「レオ」で調べてみました。その結果、「60%の人が違いが分かる基準」とされる分(0.1ポイント以上〜0.2ポイント未満)だけ、甘味と旨味の値に変化がありました。フリフリ牛乳の方が、甘味と旨味の値が高い傾向にあったのです。
味覚センサー「レオ」の測定で、味覚に差があるとはっきり言えるのは「95%の人が違いが分かる基準」である0.2ポイント以上の差がある時です。このため、フリフリ牛乳の味覚の0.2ポイントには満たないわずかな増加は、一部の味覚の鋭い人にだけ分かる差であると言えます。
このことから、フリフリ牛乳の味の違いを分かるかどうかが、甘味と旨味に関する味覚の鋭さを判定するのに向いているのです!
牛乳を振ると何が起こるのか?
牛乳が白濁しているのは、脂肪やタンパク質の分子が小さな集団を作り「コロイド」という状態で溶液にあるためです。このコロイドの分散が均一であるほど、牛乳は美味しくなるようです。市販の牛乳は、製造の過程ですでに脂肪やタンパク質の分子を均一にする作業が行われているので、紙パック内の牛乳のコロイドはほとんど均一な状態です。しかし、脂肪の分子は脂肪の分子同士、タンパク質の分子はタンパク質の分子同士で集まりたくなる性質があるため、冷蔵庫に静置している間にわずかにコロイドの分布に偏りが出てくることがあるようです。そこで、飲む前に振ることでその分布が均一に戻され、バランスが良くなって牛乳本来の美味しさを味わえるのだと考えられます。
ぜひ、牛乳を振って味覚チェックをしてみてくださいね!