外で食べる焼肉が美味しい理由とは?
今日は、焼肉屋で食べる焼肉が美味しい理由を説明してみようと思います。
焼肉屋の真髄は「七輪」にアリ
焼肉屋で食べる焼肉と、家で食べる焼肉の違いといえば、お肉の種類、焼く時の機材、場所の雰囲気、焼いてくれる人、一緒に食べる人などなど、いろいろありますね。このうち、特に美味しさに関係すると思われるのは、「お肉の種類」と「焼く時の機材」です。お肉の種類に関しては、奮発してスーパーで一番高い肉を買えば焼肉屋のお肉に近づけるかもしれませんが、焼肉屋の仰々しい七輪を家に設置するのは至難の技です。
そこで、焼肉屋を焼肉屋たらしめている最大の要因を「七輪(炭火)」であるとして、スーパーでなるべく高いお肉を買ってきて、七輪とガスコンロで焼き比べ、味を比較してみることにしました!
用意したお肉は、牛・豚・ラムの3種類。野菜も加えて味が混ざらないように注意しながら焼きます。
そして、同時にガスコンロも用意しました!暗闇で光る炎がカッコイイ。
七輪のときと同様に、3種類のお肉を焼きます。
こうして、七輪の焼肉と、ガスコンロの焼肉の準備が完了!さっそく味を比べてみましょう!
味覚センサーでお肉の味の違いを可視化
3種類のお肉それぞれについて味覚分析を行ったところ、豚とラムでは違いが確認できました!
豚の場合は炭火の方が塩味が高くなっており、
ラムの場合は炭火の方が旨味が高くなっていました。
牛肉は旨味・塩味ともに大きな差は見当たりませんでした。
この実験から、少なくとも豚とラムについては、七輪で焼いた方が味覚が強まり味にコントラストが生まれることで、美味しさが増すとが考えられます。
炭火は旨味や香りを保持しやすい
七輪の炭火の主成分は「炭素原子」です。この炭素原子が空気中に含まれる「酸素原子」と結びつくことで、二酸化炭素になります。この化学反応が起こるときに熱が生じるのが炭火です。
一方、ガスコンロのガス(メタンガス・プロパンガスなど)は、同じく空気中の酸素原子と結びついて熱を発しますが、成分のメタンやプロパンには「水素原子」が含まれています。水素原子と空気中の酸素原子が結びつくと水分子が出来上がります。水分子できると、お肉の香ばしい香りや旨味が流れ出してしまう原因となることがあるようなのです!このため、水分子が生成されない炭火の焼肉の方が、旨味や塩味を閉じ込める力が強いのだと考えられます。
また、牛肉では味の変化が見られなかったのは、肉の組織のつくりの違いや熱の伝わり方の違いが理由だと予想されますが、詳しい理由はもっと実験をしてみないとわかりません。
以上より、機材の違いが理由で焼肉屋さんで食べるお肉は美味しく感じやすいことがわかりました。今のところ、牛肉の場合は大差がないようなので、家で焼肉をする場合は牛肉にしておくと無難かもしれませんよ!