冬はやっぱり焼き芋だ!
寒さが深まるこの季節の風物詩の一つといえば、焼き芋屋さん。焼き芋屋さんで買う焼き芋は、あま〜い黄色い部分と皮の焦げ具合が絶妙にマッチして美味しいですよね。しかし、焼き芋屋さんは気まぐれで、食べたい時に来てくれるとは限りません。
そこで!仕方ないので、代わりに電子レンジでチンした焼き芋(ふかし芋)を作ることにしましたが・・・
今日は、3日にわたる焼き芋の味覚研究結果をレポートいたします!(※焼き芋屋さんのステマではありませんよ!)
Day1:レンチンde焼き芋
焼きあがってからアルミ箔に包んで、さも焼き芋かのように演出。
そして、念願の焼き芋(厳密にはふかし芋)を食べます!ぱくり。
………んん!?
なんだか甘さが引き立っていない感じがして、食感もパサつきを感じました…。これは私の食べたかった焼き芋ではありません!あの黄金の味はどこへ行ってしまったのでしょう。
こうしてこの日は、焼き芋欲を満たせずに1日が終わりました。
Day2:炭火de焼き芋
レンチンがダメなら、これを登場させるしかありません。
七輪です!
これならきっと、石焼きさながらの味が出てくれるはず。
炭火の中にサツマイモを埋めて、焼肉をしながらまったり待ちます。
お肉を腹一杯食べ終えたところで、シメの焼き芋に挑戦!
…レンチンの焼き芋と全然違います!!
まず甘さが圧倒的に違い、食感もにゅるりと柔らかく、口の中で溶けていきます。スイートポテト以上にスイートです。これは石焼き芋並みに美味しい!
このように、レンチンと炭火焼きの焼き芋は大幅に美味しさが異なりました。
一体なぜ、こんなにも違うのでしょうか?
Day3:味覚センサー「レオ」de審判
レンチンと炭火、それぞれの焼き芋の基本5味(甘味・旨味・塩味・酸味・苦味)を分析した結果がこちらです。
三角形の大きさが、「炭火芋」の方が大きいことがお分かりでしょうか。
さらに、甘味と旨味について詳しく見てみましょう。
炭火芋の方が甘味がグンと高くなっていますね!それだけではなく旨味も高くなる傾向にありました。
この理由としては、熱の伝わり方の違いが考えられます。サツマイモに含まれるでんぷんは、加熱とともに分解されて麦芽糖に変わっていき、これが焼き芋の甘さのもととなっています。電子レンジは温度の上昇が急激であるため、でんぷんの分解があまり進みません。分解は60〜75℃で起こりやすいからです。一方炭火では熱の伝わり方がゆっくりで、芋の温度がゆるやかに上昇します。このため、60〜75℃となる時間が長くなり、電子レンジの場合よりもでんぷんの分解が進むのです。
石焼き芋の場合も炭火と同様に、ゆっくり熱が伝わりでんぷんの分解がたくさん行われるため、あんなにも甘くて美味しいのです。このため、電子レンジを使う場合でも、低温で時間をかけて温めることで、炭火や石焼きの焼き芋の甘さに近づけることができるかもしれません。
いかがでしょうか。これをお読みいただいたあなたが、この冬美味しい焼き芋に出会えますように!