納豆は奥が深い食品
しかも、納豆は奥が深いもので、かき混ぜる回数やタレを入れるタイミングで美味しさが変わると言われています。人気グルメ漫画『美味しんぼ』でも、納豆の理想的な混ぜ方が描かれています。
主人公の山岡士郎らは、東京・神保町の古本屋にて、明治から昭和にかけて活躍した芸術家・料理家である北大路魯山人の著した超レアな美食会報誌「星岡」の復刻版を発見。
会報にはシンプルな10種類のお茶漬けの作り方が掲載されており、その中に「納豆の茶漬け」があります。
このレシピによると、納豆は最初に醤油を一気に入れて混ぜるのではなく、混ぜながら複数回に分けて入れるのが良いと書かれています。
( 雁屋哲 花咲アキラ 美味しんぼ91巻より引用)
「最近知らない人が増えたわね」なんて言われちゃっていますが、やや手間のかかるこのかき混ぜ方をすると、納豆はどのくらい美味しくなるのでしょうか?
今回は、納豆の美味しさを一番引き出すかき混ぜ方を検証してみました!
科学の力で納豆の理想のかき混ぜ方を検証
まず気になるのが、納豆を混ぜるベストな回数です。
そこで、混ぜる回数を変えた納豆をそれぞれ、味覚センサー「レオ」で分析してみました。
味覚センサー「レオ」は、食べ物の基本5味(甘味・旨味・塩味・酸味・苦味)を客観的な数値で表すことができるセンサーです。レオくんをつかえば、美味しくなったのが気のせいか本当なのかを検証することができます!
納豆の美味しさのポイントは旨味にありますので、今回は旨味に注目して実験を行います。
まず、1回も混ぜていない状態の味覚がこちらです。
20回ぐらい混ぜると、少しだけ旨味がアップします。
さらに100回、200回と混ぜるごとに旨味が増していきます。
このまま上昇し続けるかと思いきや、400回で頭打ちとなりました。
1000回混ぜても400回混ぜた時と旨味の値は変わらず、かえって納豆の粒が崩れてしまい食感が損なわれることがわかりました。
このような実験から、納豆の旨味を最大にする最小のかき混ぜ回数は400回であることが分かりました。
続いて、タレを入れるタイミングです。
最初にタレを全て入れてから混ぜる場合と、100回混ぜたごとにタレを入れる場合の2パターンで、それぞれ400回混ぜた納豆の味覚を分析してみました。
その結果がこちらです。
回数を分けてタレを入れて混ぜた場合の方が旨味が上昇する傾向が見られました。さらに、塩味も上昇していることから、旨味が上がると同時に塩味も上がったように感じられる現象である「味の対比効果」も確認できました。やはり、タレは複数回にわけて少しずつ入れることで、納豆の美味しさの秘訣である旨味と、それを引き立てる塩味を上昇させ、より美味しい納豆に仕上がるようです。さすが魯山人の舌はスゴい!
以上をまとめると、納豆の美味しさを一番引き出すかき混ぜ方は・・・
「ある程度かき混ぜてからタレを少しずつ加えることを繰り返しながら400回かき混ぜる」でした!
あなたも今度納豆を食べるときはぜひ、いつもより少し手間をかけてかき混ぜてみてくださいね!