『美味しんぼ』を味覚センサーで検証!第二弾「刺身の美味しさは包丁の使い方で決まる」

刺身の美味しさは包丁で決まる

料理に欠かせないアイテムといえば、包丁です。いつまでたってもビクビクして使い慣れない人も、1ミリメートル幅で均等にキャベツを千切りできる人も、料理をする限りは包丁を使うことから逃れることはできません。しかも、包丁の扱い方は奥深いもの。人気グルメ漫画『美味しんぼ』でも、包丁さばきの大切さが描かれています。

こちらは『美味しんぼ』2巻の「第5話 包丁の基本」の場面。アメリカの日本料理店で修行を重ねた、板前志望のジェフ・ラーソンが来日。

本場日本での修業先として、ある日本料理店を紹介をされました。日本料理店らしからぬお店の雰囲気に圧倒されつつも・・・まずはこの店の板前の腕前を見せてもらうことになりました。

このお店は、調理時の「演出」にこだわっているよう。派手なパフォーマンスと腕前に自信満々の板前の刺身をいただいてみるものの…ジェフが素直に美味しくないと言ってしまい、板前はご立腹!

板前を完全に怒らせてしまったジェフは、山岡と一緒に「スズキの洗い」で一週間後に勝負することになりました。ジェフは、山岡の知り合いの主人のもとで包丁の使い方を修行します。特訓を重ねて一週間後。ついに勝負の日がやってきました!

板前は相変わらずの豪快な包丁さばきでスズキの洗いを作り上げますが、反応はイマイチ。

一方、ジェフのスズキの洗いには、全員が感動。板前は自身の敗北を目の当たりにします。

包丁の使い方によって味が変わる!?

この結果に対して、山岡士郎は「全ては包丁の使い方にあるんだ」と分析をします。

( 雁屋哲 花咲アキラ 美味しんぼ2巻より引用)

味覚センサーでも証明済み!包丁の研ぎ具合で味が変わる

実は味覚研究家である味博士も、包丁によるマグロの切れ味の違いを調べたことがあります。

実験は、「切れ味の良い新品の包丁」と、3種類の「切れ味の劣化した包丁」、計4本の包丁をそれぞれ使って切った食べ物の味を味覚センサーで測定することで行いました。切れ味の劣化は、包丁をまな板に27,000回、54,000回、108,000回切りつけることで再現しました。
※参考程度ですが、1食300回×1日3回×1ヶ月30日とした場合は1ヶ月で27,000回切ることになります。
また、味の違いが変わる理由を「切れ味が悪くなると切断面の細胞が壊れるから」と仮定して、実際の切断面を観察してみました。

その結果、包丁の切れ味が良いものは旨味が高く保持され、切れ味の悪いものは苦味が上がるという結果がわかったのです!

また、断面の違いはこの通り。

新品の包丁で切った場合は、切断面が滑らかでミラーのように輝いていますね

(マグロの画像提供:貝印株式会社)

劣化包丁で切った場合は、明らかに断面が壊れていてギザギザになっていました

『美味しんぼ』で描かれている、切断面の乱れが味を壊してしまうというのは本当なのでした!
あなたもぜひ、このストーリーを教訓に、家の包丁は時折メンテナンスして、食材を美味しく召し上がってくださいね!


※本記事はマンガHONZさんと共同企画させていただいております。

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