アイスクリームは温度で味が変わる
溶けたアイスクリームを食べると、非常に甘ったるかった・・・なんて経験をした人は多いですよね?実際に味覚センサーレオで計測すると、アイスクリームの温度で甘味の数値が変わっているのです。(甘味4.0を超えていると日本人だと甘すぎると感じられます。日本のアイスクリームは3.5~4.0に収まることが多いです)
この結果からも明らかなように味の感じ方は温度によっても変化するのです。一番味を強く感じるとされる温度は、種類によって多少異なりますが、体温付近である事が多いです。
美味しいと感じやすい温度
アイスクリームは、舌が「冷たい」と「甘い」という感覚を同時に感じないとおいしくないのです。舌はアイスクリームほどには冷たくなっていないので、確実に口の中でアイスクリームは温められます。このアイスクリームが口の中で溶ける瞬間こそがおいしくなるのです。最初から溶けていたら、その瞬間を味わえないので、おいしくはないですね。
逆に温かくないとおいしくない場合もあります。味噌汁やお吸い物などが典型例ですが、人間はプラスマイナス25℃〜35℃の飲食物を好むとされています。温かいものであれば、60℃〜70℃前後、冷たい物であれば、0℃〜10℃。舌を温めたり、冷やしたりするのに最適な温度差ということです。そして温かいもの(or 冷たいもの)が口の中に入って体温付近になることで味が強くなったと感じます。この味変化こそ、温かいもの(冷たいもの)の美味しさの理由です。
温度によって変わりやすい味・変わりにくい味
実は、温度によって変わりやすい味と変わりにくい味があります。変わりやすい味は、甘味・旨味・苦味です。逆に、変わりにくい味は、塩味と酸味です。冷めた味噌汁がしょっぱいのは、塩味が増しているわけではなく、旨味の感じ方が減ることによって、塩味のみが突出してしまうからなのです。
味覚センサーレオの計測結果をみてみましょう。
温かい味噌汁は塩味・旨味のバランスが取れ、甘味も少し含まれていますが、冷めた味噌汁は甘味と旨味が落ち、塩味のみが残っているため、アンバランスさとしょっぱさだけが残る結果となりました。
このように温度が変わるだけで味のバランスが変化することで単に味の強弱だけではなく、味自体が変化します。この味変化で美味しく感じやすくするのが、近年のトレンドです。
例えばつけ麺は、熱いスープと冷たい麺を同時に食べますが、その時口の中で急激にぬるくなります。すると口の中に入れた瞬間から温度が体温に近づいていくことで、甘味と旨味がぐっと強くなったように感じ、より美味しく感じるというわけです。