高野豆腐が脂質の代謝を改善してくれる?!


年中無休で食べる機会がある高野豆腐(凍り豆腐、凍み豆腐)。とくに冬は温かく煮た高野豆腐がたまらないですよね。食事のメインに据えてもいいですし、副菜としてもしっかりとした役割を果たします。何より豆腐だけあってヘルシー。

そんな高野豆腐ですが、実は脂質の代謝を助けてくれるという嬉しい効果があるんです[*]。

高野豆腐にはコレステロールや中性脂肪の調整をする作用がある

既存の研究で、5名の被験者に肉中心の食事の生活をさせた後、続けて高野豆腐を含んだ食事の生活を1ヶ月してもらったところ、肉中心の食生活で上昇した総コレステロールが元の値近くまで戻ったという報告があります。

また別の研究で、1日1枚の高野豆腐を1ヶ月間食事にとりいれたところ、もともと血中コレステロールが高めだった2名の被験者のコレステロール値が下がったそう。正常値の範囲にある被験者についてはコレステロール値が下がりすぎることはないようです。

更に中性脂肪についても、通常のハンバーグを食べた群と高野豆腐入りハンバーグを食べた群について、高野豆腐入りハンバーグを食べた群の方が、食後の中性脂肪の上昇が抑えられたことが明らかとなっています。

脂質代謝改善のカギはHMFにあり

この脂質代謝改善に影響するのは、大豆たんぱく質の不消化性の成分のうち、High-molecular-weight-fraction(HMF)と呼ばれる物質。HMFが持つ胆汁酸の吸収を抑える作用がカギです。

背景として胆汁酸の合成にはコレステロールが使われること、胆汁酸は腸管で吸収、再利用されてコレステロールの消費を抑えることがあります。HMFは胆汁酸と結びつくことで、腸管での胆汁酸の吸収を抑え、コレステロールの消費を上げると考えられています。

また、様々な豆腐がある中でも高野豆腐はHMFの量が多く含まれているため、脂質代謝改善に効果的といえるでしょう。

高野豆腐には糖尿病予防・改善効果も?

高野豆腐の効能は脂質代謝改善だけではありません。実は糖尿病にも効果的だといわれています。研究で高コレステロール症治療薬を高コレステロール血症と2型糖尿病を併発している患者に投与したところ、糖尿病の病態を改善したことが明らかとなっています。

そのような背景の元、3ヶ月間高野豆腐を食べ続けたところHbA1cという糖尿病のマーカーが優位に減少したそうです。高野豆腐には糖尿病改善効果もあることが示されたんです。

 

1日1枚でも十分な効果が得られそうな高野豆腐。置き換えをしたり、大量に摂取したりする必要がないので継続もしやすいでしょう。脂質や血糖値が気になる方は、今夜の晩御飯から高野豆腐を取り入れてはいかがでしょうか。

参考:
凍り豆腐の脂質代謝・糖質代謝改善効果とそのメカニズム

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