白いご飯に納豆といえば、日本食の定番とも言える光景。しかし、そこにあるのが当たり前だからこそ、そのありがたみを忘れてしまうこともあると思います。
最近、納豆食べてますか?ネバネバするのでゴミの処理がめんどくさいし、混ぜるのも疲れる……なんて、卵かけご飯にばかり逃げてはいないでしょうか。
今回は、納豆というひとつの食品の「威力」を改めて確認してみましょう。
大豆成分には多岐にわたる効能が認められている
大豆の成分、イソフラボン化合物には女性ホルモンに似た作用があり、女性ホルモン分泌低下が原因とされる骨粗しょう症の予防に有効だとされています。
日本人には前立腺肥大や乳癌の少ないことから、みそなど大豆製品とのかかわりが調査され、イソフラボンのがん抑制効果にも注目が集まっています。
アメリカのFDA(Food and Drug Administration:食品医薬品局)は、「大豆蛋白は心臓病に効く」と、正式に発表しているんです。
イソフラボンはまた、細胞のインスリン感受性を高め糖尿病を抑制する作用も持っています。大豆たんぱく分解物中の成分による血圧降下や、コレステロールの低下機能も認められています[*1]。
戦時中も注目されていた納豆
高たんぱくの健康食品、肉に比べて保存がきくうえに運搬が楽な納豆は、戦時中のような非常時にも注目されました。
第二次大戦中は、旧日本軍も納豆をコレラやチフスなどの疫病を防ぐ抗生物質として利用しようと研究を重ねていたとのこと。
日本だけではありません。ナチスもこの大豆パワーに注目し、連合軍に海上封鎖されても、旧満州から30万トンの大豆をし入れて納豆に加工して兵糧食として利用していたという記録が残っています[*2]。
現代は食料が豊富で、豊かな時代になっています。しかし、その豊かさゆえに特定の食品の摂りすぎによる病気など、偏った食事が問題になっているのも事実。日頃から食事に納豆を取り入れることで、健康な体に近づいたり、それを維持することができるのではないでしょうか。
ちなみに納豆は400回かき混ぜることでもっとも美味しくなります。納豆が苦手な方は、納豆にヨーグルトを混ぜると、マイルドになって食べやすくなりますよ。
参考:
*1 松本仁 他:New food industry 42 No.11.p40,2000
*2 William Shurtleff and Akiko Aoyagi ”History of Soybeans and Soyfoods: 1100 B.C. to the 1980s”Copyright 2007 Soyinfo Center, Lafayette, California
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