世界が注目する和食
外国人が好きな海外料理1位[※1]に選ばれる和食は2013年12月4日、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
和食ブームを加速させたのは1977年に連邦政府が発表した食生活改善指導(マクガバンレポート)。これは医療費削減のため脂肪分やコレステロールを減らし、たんぱく質や炭水化物を多く摂るよう勧めたものです。その指導内容が「日本の伝統的食生活」のそれだったことから和食が注目されるようになったのです。
和食が健康的である理由3つ
医療費削減を実現するための健康的な食事とされた和食ですが、その「健康的である」と言われる所以はなんなのでしょうか。理由を3つ挙げてみました。
1. 低脂肪・低エネルギー
欧米の食生活では、バターがたくさん入ったパン、大きなステーキ肉のアブラ、ケーキの生クリーム…と、かなり脂質リッチ。実際、アメリカと日本の食生活におけるPFCバランス(タンパク質・脂質・アルコール含む炭水化物の比率)を比較すると、アメリカは脂質に偏っているのに対して、日本の食事はタンパク質・資質・炭水化物3つがバランスよく摂取できています。
また和食は出汁の旨味を存分に活用することで、薄味の味付けになっています。そのため過剰な調味を必要とせず、余計なエネルギーを摂取しなくて済むんです。
2. お米と大豆の相性
和食の基本といえば「ごはんと納豆」。そう、お米と大豆です。この2つ、実は栄養的にとても相性が良いんです。
食事から摂取する必要のあるアミノ酸のことを必須アミノ酸と言い、ヒトには9種の必須アミノ酸があります。お米にはこの9種のうちリジンというアミノ酸が少なく、含硫アミノ酸が多い一方、大豆はリジンを多く含み、含硫アミノ酸が少ないのです。すなわちお米と大豆は双方の不足を補うことができる、理想的な食べ合わせなんです。
3.「一汁三菜」の栄養バランス
和食の献立である汁物1品+料理3品の一汁三菜は「理想的な献立」といわれています。
汁には野菜や海産物、豆腐などが入り、日本のスーパーフードとも言われている発酵食品の味噌や醤油が使われます。三菜は主に米などの主食と肉や魚、大豆製品からなるたんぱく質がメインの主菜、それに野菜やきのこ類、海藻がメインの副菜の3つから成ります。
これらの一汁三菜を意識して献立を考えていくと、必然的に理想的な栄養バランスを実現できるというわけなんです。
ユネスコ無形文化遺産の一覧表では、「和食」を料理そのものではなく、「自然を尊ぶ」という日本人の気質に基づいた「食」に関する「習わし」と位置付けています。これは伝統や四季、作法なども含めて、文化のひとつとしての和食という意味。
みなさんもぜひこの機会に和食を見直してみてはいかがでしょうか?
※1: 和食を日本へ
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