パン好きにとっては悲報ですが、この度なんとパンの外皮に細胞を老化させる成分が存在することが判明しました。
この研究を発表したのは、イタリアの農業経済研究所(il Consiglio di ricerca in agricoltura e analisi dell’economia agraria)。研究内容は、科学雑誌『ジャーナル・オブ・シリアル・サイエンス』に掲載されています。
問題となったのはメイラード反応
パンの香ばしい香りや焼色を生み出すともいわれているメイラード反応。
160℃から170℃以上の温度で調理をした際に、糖とタンパク質がどのような反応を起こすのか研究をしたフランスの化学者ルイ・カミーユ・マヤールにちなんでつけられた名前です。
パンを焼くと、メイラード反応により「アクリルアミド」という成分が生成されます。アクリルアミドは、過去の研究から発がん性のある物質とされています。
今回、農業経済研究所では、パンの柔らかい部分と外皮双方から成分を抽出し分析を行いました。純粋培養のモデルから、パンの調理から発生するアクリルアミドが、細胞の老化を促す作用があることが明らかになったのです。
パンの食べ過ぎには注意したほうがいい?
それでは、パンを食べるときに、量に気をつけなければならない……といったことはあるのでしょうか。今回参加した研究者の1人ファビオ・ノービリ氏は、「特にパンの摂取量に神経質になる必要はない」と語ります。
もちろん、ある程度の常識をもって量を加減することは必須です。これは、通常の食生活として当たり前のことですね。
大事なのは量より原材料の「質」。つまり、原料となる小麦粉の小麦の原産地にまでこだわることのほうが、健康のためには有益だと言うのです。
また、生産過程にも目を向け、原材料表示について勉強する習慣は、パンに限らずあらゆる食品を購入するうえで重要な知識となると結んでいます。
普段食べているものから体に有益と思しき成分が発見される……そういった研究結果を見ると、少し不安になります。しかし、自分の体のもととなるものがどうやって作られ、食物として自分の目の前に並ぶのかをきちんと知っていれば、体に害のない範囲で、色々な食べ物を楽しめるのではないでしょうか。
参考:
Nella crosta del pane scoperti alcuni componenti che invecchiano le cellule
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