肉を食べるとき、どのくらい焼いて食べますか?もしあなたが血糖値を気にしているのであれば、「焼きすぎ」の肉を食べるのは良くないかもしれません。
肉に関する最新の研究結果は、テルアビブ大学から飛び込んできました。それは「火を通しすぎた肉を食べると血糖値が上昇する」という、肉を愛する人にはショッキングなニュース。
血糖値が上がると分泌されるインスリンの働きが、焼きすぎた肉によって弱まってしまいそうなんです。
焼きすぎた肉とインスリンの働きの関係
この結果は、肝臓病についての医学雑誌「Journal of Hepatology」に掲載されています。
研究は平均年齢59才の789人を対象に、空腹時の血液検査、肝臓の超音波検査、大腸内視鏡検査が行われました。また、日頃の食生活に関しても詳細なアンケートが実施されました。対象者のうち、15%が2型糖尿病の患者だったそうです。
私たちはいろいろな肉を食しますが、とくに「赤身の肉」とされている牛肉やラムが今回、問題になっています。
もともと、この種の肉は脂肪肝やインスリン抵抗性と密接な関係があるといわれてきました。肉に多く含まれるヘム鉄や飽和脂肪酸がインスリン分泌に対して良くない影響を及ぼす可能性があるからです。
そして、過剰な調理によりアミノ酸とクレアチンが反応することで生成されるヘテロサイクリックアミン。たびたび「発がんリスクがある」と話題になるこの物質は、炎症や酸化ストレスを助長するものでもあります。
ヘテロサイクリックアミンが多く生成された「焼きすぎた肉」を食べることによって、肝臓から高濃度のグルコースが産生されるとともに筋肉がグルコースを使用する能力が低下し、インスリン抵抗性をもたらしてしまうそう。
ちなみに「美味しさ」という面ではミディアムレアがもっとも美味しいという味覚センサーでの検証結果が出ています。好みは人それぞれですが、ミディアムレア程度の焼き加減が美味しさ的にも体の健康にも良いのかもしれません。
参考:
Carne troppo cotta provoca aumento di zuccheri nel sangue
食品中に含まれるヘテロサイクリックアミンの安全性評価情報に関する調査報告書
2.肝におけるインスリン作用
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