ロサンゼルス州では、コーヒーのアクリルアミドがガンのリスクを増大させるとして訴訟中[*1]。片やクロロゲン酸が肝臓病の発生率を下げ、心臓病のリスクも低下、さらにコーヒー飲みは長生きもできる[*2]との研究報告も続々発表。コーヒー愛好家はコーヒーに関する報告がなされるたびに、一喜一憂しているのではないでしょうか。
アスリートはスポーツのパフォーマンスを高めるためにコーヒーを飲み、ダイエッターは、コーヒーを飲むことで食欲が減退して体重減に繋がるかも…などの淡い期待も抱いています。
そんな話題豊富なコーヒーですが、今度はコーヒーを飲まなくてもコーヒーの香りを嗅ぐだけでポジティブになり、分析力も上がる可能性があることを示唆した研究結果が発表されました[*3]。
つまり、コーヒーの香りを嗅いだだけで成績も仕事能力もアップするとのこと!
これはカフェインに弱い人や学生だけではなく、様々なシチュエーションで正確な分析力が求められるビジネスパーソンにとっても朗報ではないでしょうか。
コーヒーの香りを嗅いだだけでポジティブに!?
2018年4月に発表されたStevens School of Businessの研究報告によると、分析力と数学的能力が求められるテストにおいて、学生をコーヒーの香りに満ちた部屋と無香の部屋に分け入れてテストを受けさせたところ、成績に差が見られたとのこと。
そうです!あなたのご推察どおり、コーヒーのアロマに満ちた部屋でテストを受けた学生グループが高得点を獲得したんです。
その後のインタビューで、コーヒーの香りの部屋でテストを受けた学生は「なんとなく自分はできるんだ、という思いが湧いてきた」との回答をしました。
つまり、コーヒーのアロマはポジティブ思考をもたらし、パフォーマンスを上げると考えてもいい、ということになります。
世には様々なポジティブシンキング方法が解説されていますが、手っ取り早くネガティブ思考からおさらばしたい人は、ふくいくとしたコーヒーの香りに包まれてみてはいかがでしょうか?
カフェイン代謝の遅い人にもおすすめ
世の中にはとにかくコーヒーがないと1日が始まらない人がいれば、会議で出されるコーヒーに嫌悪感を抱く人もいます。
後者は遺伝的にカフェインの代謝が遅い人なのかもしれません。
カフェイン代謝が遅い人は、コーヒーを飲んでポジティブになれるどころか、ドッと疲れを感じてしまいます。
そんな人に無理にコーヒーを勧めると、最悪の場合、心筋梗塞を引き起こすこともあるとのこと[*4]。
これからは多数の人が集まる場所では、コーヒーアロマを漂わせるだけ、なんて方法がとられるようになるかもしれませんね。
※尚、冒頭で述べた「カフェインで食欲減退」説は、残念なことに覆されました[*5]。
参考:
*1 CNN「Coffee may come with a cancer warning in California」
*2 JAMA「Association of Coffee Drinking With Mortality by Genetic Variation in Caffeine Metabolism」
*3 ScienceDirect「The impact of coffee-like scent on expectations and performance」
*4 NCBI「Coffee, caffeine, and coronary heart disease」
*5 Journal of the Nutrition and Dietetics「Caffeine Transiently Affects Food Intake at Breakfast」
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