あなたは卵かけご飯がなぜこんなにも美味しいのか、考えたことはありますか?
ご飯にかけて食べる“何か”はたくさんありますが、その中でも卵は少し特殊ではないでしょうか。納豆しかり漬物しかり、手間暇かけて作り出されて初めてご飯の相棒となり得る旨さを発揮します。
しかし卵はそのままパカっと割って醤油をかけるだけで、立派なひとつの料理として完成するんです。これ以上なくお手軽で、これ以上なく美味しい──大げさに言いますが奇跡です。
では、なぜ卵が単体でこんなにも美味しいのか。味覚センサーを用いて、その秘密を探ってみました。
卵が美味しいのは「旨味」が多く含まれているから
はい。というわけで早速結論です。ズバリ、卵の美味しさの秘密は「旨味」にあります。
食べ物の味は甘味・旨味・苦味・酸味・塩味という5つの基本味で構成されています。味覚センサーで分析した、卵の基本5味の構成がこちら。
なんの変哲もないスーパーで購入した白い卵ですが、その34%、約3割が旨味でできています。旨味が多い食べ物として代表的なのが「だし」。和食に多く含まれ、私たちが「美味しさ」を感じる上で重要な味覚ですね。
甘味はエネルギー源、塩味はミネラルなど、各味覚にはそれぞれ生理的な役割があります。小さい子どもが甘いものやしょっぱいものを好むのは、それらの味覚に繋がる栄養素が体にとって必要だという本能からきています。
旨味物質を含む食べ物は、アミノ酸や核酸といった体を作る上で必要な栄養素を含んでいるものが多いため、こちらも本能的に好まれる味。
また、基本5味の中で2つから3つの味が含まれていると、人はより一層美味しさを感じます。卵かけご飯で言うならば、ご飯は「甘味」、醤油は「塩味」。甘味・旨味・塩味という本能的に好まれる3つの味が揃った卵かけご飯は、生卵を美味しいご飯にかけて食べられる国に生まれた時点で、好きになる可能性が非常に高い食べ物だと言えるでしょう。
ちなみに卵かけご飯にかける調味料として、相性が良いのは醤油より焼き肉のたれです。詳しくはこちらの記事をご覧ください。→醤油じゃなかった!?卵かけご飯にベストマッチな調味料
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