米では6月から規制される「トランス脂肪酸」、日本では?

2018年6月から、アメリカでは「トランス脂肪酸」の原因となる油を食品に添加することが原則として認められなくなります。

トランス脂肪酸にこのような規制がされるのは、摂りすぎによって血中の悪玉コレステロールが増加し、心臓病リスクが高まるという報告によるもの。マーガリンに含まれるトランス脂肪酸のニュースが記憶にある方も多いのではないでしょうか。

世界各国ではトランス脂肪酸の表示を義務化、食品添加を規制するといった動きが見られています。

日本のトランス脂肪酸事情

農林水産省では、日本人がどれだけトランス脂肪酸を摂取しているかを知るため、トータルダイエットスタディという調査をしました。その結果、1人1日当たりの平均摂取量は0.92gから0.96g。主な摂源は穀類・肉類・調味料・香辛料類です。

WHO(世界保健期間)が目標値としたトランス脂肪酸の量は総エネルギー摂取量の1%未満です。日本人の平均トランス脂肪酸の平均摂取量、0.92gから0.96gという数値は0.44%から0.47%にあたるため許容範囲内。

また日本人のトランス脂肪酸の平均摂取量は、米国の1人1日あたりの平均摂取量5.8gと比較すると大きく少なく、現状日本ではトランス脂肪酸を多く含むマーガリンなどの摂取を規制する必要がないとされています。

脂質を多く摂ると、トランス脂肪酸の摂取量も増加する可能性があります。とはいえ、脂質も大切な栄養素のひとつ。あくまで「摂りすぎ」に気をつけて、バランスの良い食生活を意識することが大切です。

食品業界各社も、トランス脂肪酸をあまり含まない菓子類などの開発を進めています。栄養バランスの偏った食事を避けていれば、日本人の食生活上、トランス脂肪酸の摂取に対して過度な危機感を持つ必要もないはず。安心して食べ物を食べ続けられるように、日頃から健康的な食事を意識したいですね。

参考:
トランス脂肪酸に関する情報
食品中の脂質とトランス脂肪酸濃度
Trans Fat Now Listed With Saturated Fat and Cholesterol
Final Determination Regarding Partially Hydrogenated Oils

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