コーヒーで痩せる?カフェインがダイエットに及ぼす影響

「コーヒーダイエット」という言葉のとおり、コーヒーを飲むと痩せるというのは有名な話。キーになるのは「カフェイン」です。カフェインがダイエットに与える影響については、現在メカニズムの解明が進んでいる最中です。

今回はカフェインがどのようにダイエットに結びつくのかをご紹介します。

「カフェインを摂取すると痩せる」のはなぜか

Guo Zhang教授率いるチームの研究では、肥満モデルのマウスを対象にした実験において、食欲の抑制とエネルギー消費の促進にカフェインが役立つことが判明しています[*1]。この研究で調べられたのは、食欲に関係がある脳内の領域「視床下部」でのアデノシン受容体の活性について。

アデノシン受容体はその名のとおりアデノシンを受容する物質。視床下部におけるアデノシンの量と体重には相関があり、アデノシン受容体を増やしたマウスとそうでないマウスでは、アデノシン受容体を増やしたマウスのほうが食べる量、体重ともに増加したという結果が出ています。

そのアデノシン受容体の働きを遮断するのがカフェイン。そして、そのカフェインの作用によって促進されるのがエネルギー代謝を調節する幸せホルモン、「オキシトシン」の分泌です。オキシトシンに食欲を抑制する作用があることは、自治医科大学の研究などですでに報告されています。

上記の働きにより、カフェインをマウスに投与すると、餌を食べる量と体重が減り、エネルギーの消費は増加したそう。

ただし、今回肥満モデルのマウスに投与したカフェインは60mg/kg。コーヒーにすると24~36杯分にもなるようです。アメリカの保健福祉省と農務省、カナダ保健省などでは、カフェインの摂取は1日あたり3〜5杯(400mg)までが安全だと報告しています[*2]。

カフェインを摂取することで食欲や体重増加の抑制、エネルギー消費は期待できますが、ダイエットに良い影響があるからと飲みすぎるのはご法度。また、カフェインを摂取するだけで痩せるわけではありません。当然ですが、食生活や運動などに気を配る必要もありますよ!

参考:
*1 Caffeine inhibits hypothalamic A1R to excite oxytocin neuron and ameliorate dietary obesity in mice
*2 食品中のカフェイン

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