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食べ物の味を変えてしまう、味覚以外の感覚

食べ物の味を変えてしまう、味覚以外の感覚

食べ物の味を変えてしまう、味覚以外の感覚

最近、「ニューロガストロミー」という言葉を耳にすることがあります。味覚以外の感覚が、食事や食習慣にどのような影響を与えるかを研究する学問です。

視覚も嗅覚も聴覚も、味覚に大きな影響を与えている、というのがこの学問の提唱者たちの意見です。つまり、目にするもの、耳にするもの、匂いによって、味覚にも変化が起こるというのです。この現象を、研究者は「味覚ハッカー」と呼んでいます。

具体的にはどんなことが起きているのでしょうか。

飛行機の中でビールとトマトジュースの消費が多い理由

コーネル大学のロビン・ダンド教授と航空会社ルフトハンザは数年前、なぜ搭乗中の客からビールとトマトジュースの注文が圧倒的に多いのか調査することになりました。

つきつめると、原因はすべて「飛行機の騒音」にありました。常に騒音を感じる機内では、「甘味」「塩味」「酸味」の感覚が低下し、「苦味」と「旨味」だけが変わらないという結果が出たのです。つまり、「苦味」の代表であるビールと、西洋では「旨味」の代表である「トマト」が機内で多く消費されるわけです。ちなみに、日本では「出汁」が旨味の代表的食材ですが、西洋ではトマトやキノコが旨味を持つ食材といわれています。

しかし、この研究結果によって「なぜ機内の食事はおいしくないのか」も説明可能です。甘味や塩味、酸味といった「おいしさ」を感じる味覚が低下し、苦味が強まる……食事がおいしくなるわけがありませんね。原始時代、人間は「苦味」を飲食可能か不可能かの指標にしていたことを考えても、「苦味」が強調される機内の食事は推して知るべし。

研究者によると、味覚に関連する刺激を脳に伝えるのは鼓索神経、舌咽神経、迷走神経の3つだそうで、とくに鼓索神経に騒音が与える影響は大きいのだとか。

嗅覚と味覚の関係

匂いが、満腹感に与える影響は多大です。実際、嗅覚が鈍ると肥満につながるとまでいわれることも。

2013年にドレスデン大学が行った研究では、ベーコンの匂いをかぐだけで実際の塩分よりも強い塩味を感じる、という結果が出ています。つまり、味覚に直接影響を与えるのが嗅覚なのです。これは、塩分控えめが必須の高血圧の人には朗報といえるかもしれません。

食べ物の味を変えてしまう、味覚以外の感覚
また、「匂い」はダイエットにも有効という説もあります。

たとえば、見るからにおいしそうなチョコレートケーキがあります。このケーキに、ジャスミンの花の香りを加えると、途端に食欲は減退するのだそうです。

視覚と味覚の関係

ダイエットといえば、視覚も食欲を低下させるのに有効という研究があります。

オーストラリアのフリンダース大学の研究によると、空腹を感じて我慢できなくなったときケータイなどで「ダイナミックな視覚的ノイズ」を数十秒間見続けるだけで食欲が低下するのだそう。医学雑誌「Addictive Behaviors」にも、テトリスなどのゲームに興じると空腹感を感じなくなる、とあります。

そして、視覚と味覚の関係は非常にシンプルです。「おいしいものを見れば見るほど、食欲は増進する」。

逆に言えば、目隠しをして食事をすると、通常の食事量の25%で満腹感を感じるというという研究結果もあります。また、オックスフォード大学の研究では抽象画家カンディンスキーの作品をイメージしたサラダは同じ種類と量の普通のサラダよりもおいしく感じた、という実験結果が有名。

さらに、食品会社Kraftが板チョコの「daily milk」の角を丸くした製品を販売したところ、材料は変わっていないにもか関わらず消費者から「まずくなった」「甘すぎる」などの抗議が殺到したというエピソードなど、視覚と味覚の関係も奥が深いことがよくわかるのです。

参考:
Ascolta che buon sapore: il rapporto tra il gusto e gli altri sensi
Mangiare con gli occhi. L’Insalata Kandinsky dimostra che l’impatto visivo influenza la percezione del sapore

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