悲しきかな、ヨーロッパの隣り合う国同士は仲が悪いというのが世の常です。
2017年、イタリア ナポリの「ピッツァ職人の技術と伝統」がユネスコの文化遺産に認定されました。これを受けて黙っていられなかったのがフランス人です。
ナポリのピッツァが文化遺産になるのならば、フランスパンのバゲットも充分にその価値有り!と言いだしたマクロン首相をはじめ、フランスのパンと菓子連盟の会長であるドミニク・アンラク氏もこう語りました。
「バゲットは、エッフェル塔と並ぶフランスのシンボルです」
というわけで、正式に文化遺産登録への手続きをマクロン首相に要請するとしています。
フランスパンの一種「バゲット」
確かに、バゲットはフランスをイメージするときに必ずといって登場する食材です。ショッピングバックから飛び出ているバゲットや、紳士が新聞と一緒に抱えているバゲット、といった具合に。
フランスパンの一種である「バゲット」は、カリカリとした外皮とふわふわとした内部、きめの細かさが特徴のパンです。
長さは65cm〜70cm、横幅が5~6cm、高さが3,4cmという非常に細長い独特の形状をしています。
イタリアの主張「ならばこちらはプロセッコを!」
ピッツァとパンがライバル意識を燃やしてしのぎを削っている一方、アルコールの分野にもこの抗争が飛び火しています。
2015年、スパークリングワインで有名なフランスのシャンパーニュ地方がユネスコの文化遺産となったのを受けて、イタリアの「プロセッコ」が名乗りを上げたのです。
イタリアの専業農家連盟(Coldiretti)は、「イタリアの発泡性ワインはフランスのそれに比べて海外での需要が2倍以上」と主張。イタリアの発砲ワイン「プロセッコ」も文化的な重みを考慮すれば立派に文化遺産となりうる、というわけです。
イタリア側はさらに、トマトソースとペコリーノチーズのパスタ「アマトリチャーナ」のユネスコ文化遺産登録も目指す、としています。
ユネスコの文化遺産に登録された「食べ物」たち
ユネスコの文化遺産に登録された食べ物はピッツァだけではありません。日本からは「和食」が、ご近所の韓国からも「キムチ」が登録されています。
過去に文化遺産に登録された食べ物は以下のとおり。
・メキシコ料理
・地中海式食事法
・トルコのケシケキ
・フランス料理
・和食
・韓国のキムチ
・ベルギーのビール
・ナポリのピッツァ
今後、どんな食文化が文化遺産となっていくのか楽しみですね!
参考:La risposta francese al trionfo della pizza: “Anche la baguette sia premiata dall’Unesco”
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