様々な健康効果が注目されているチョコレート。とくにチョコレートに含まれる「カカオポリフェノール」はチョコレートの健康効果のキーとも言える存在で、抗酸化作用、生活習慣病の改善といった効果が期待できる成分[*1]。この「カカオポリフェノール」を多く含むチョコレートが人気を集めていますね。
とはいえ、高濃度カカオチョコレートを愛する層がいるように、甘いミルクチョコレートしか食べられない層もいます。
果たしてカカオポリフェノールの恩恵を受けるために、ミルクチョコレート好きがビターチョコレートを選ぶ必要はあるのか…今回はチョコレート摂取による脳波と自律神経を測定した結果から、リラックス効果が得られるチョコレートのカカオ濃度についてご紹介します。
3種類のチョコレート摂取によるα波の増加
20〜21際の女性15人を対象に、チョコレート摂取による脳波と自律神経の変化について調べられた研究[*2]では、カカオ含有量が33%、56%、70%の3種類のチョコレートを試料として、それぞれ摂取前、摂取中、摂取後の3時点の脳波が測定されました。
測定されたのはα波。α波は脳波のなかでもっとも有名な周波ではないでしょうか。これは一般的に人が落ち着いているときに増加する脳波です[*3]。
結果、チョコレート摂取前に比べ、摂取後にα波が増加した人は33%で5人、56%で5人、70%で4人でした。
実験に参加した人数が15人と少ないものの、この結果を見るとどのチョコレートもあまり変わらないのかもしれません。リラックス効果のために、本当はミルクチョコレートが好きなのに無理してビターチョコレートを摂取する必要性はなさそうです。
自分が「美味しい」と感じるものを食べてリラックスするためにも、好きな濃度のチョコレートを摂取するのが良さそうですね。
*1 チョコレート・ココア健康講座 | 日本チョコレート・ココア協会
*2 カカオ含量の異なるチョコレート摂取による脳波及び自律神経の変化
*3 α・β 波を用いた思考判別に関する基礎的考察
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