食後に歯を磨いて口の中を清潔にすることは、誰にとっても大切なことです。中には、歯磨きだけでなく、マウスウォッシュ用のうがい薬でブクブクとうがいをしたり、舌の上まで磨いたりするなど、気合いを入れてらっしゃる方も多いでしょう。
しかし清潔に越したことはない……と思いきや、最近の研究によると、清潔に気を使いすぎるのも良くないらしいことが分かってきました。一体どういうことなのでしょうか!?
口の中には糖尿病に強い菌がいる?
アメリカのハーバード大学の研究者らが、肥満の人を1206人集めて3年間調査したところ、うがい薬を1日2回使用した人たちは、3年以内に糖尿病や危険な血糖値スパイクを起こす可能性が約55%高くなることを発見しました。さらに調査期間中に、17%の人が糖尿病やその前兆を発症しましたが、1日1回うがい薬を使う場合は20%に、朝と夕の2回使う場合は30%に上がりました。
つまり、うがい薬を使ってマウスウォッシュする頻度が、糖尿病の発症となんらかの関係があったようなのです!
この調査を行ったJoshipura教授いわく、うがい薬の中に含まれる抗酸化成分が、口の中で作られる「酸化窒素」という成分の量を減らしてしまうことが原因だそう。
酸化窒素は、代謝やエネルギー、血糖値などを調整するはたらきがあると言われており、口の中の菌によって作られます。うがい薬は、虫歯菌などの悪い菌を除去することができると同時に、無害な菌も一緒に除去してしまいます。酸化窒素を作る菌もそのうちのひとつで、うがい薬の頻繁な使用によっていなくなってしまうのです。さらにJoshipura教授は、無害な菌がいなくなることで有害な菌が増えてしまう可能性についても指摘しています。
この調査で調べた人はすでに肥満になっている方々であり、元々糖尿病のリスクが高かったようではありますが、今ほっそりしているあなたの口の中でも菌たちの椅子取りゲームは日々繰り広げられています。
Joshipura教授が言うには、うがい薬を使う場合は1日1回程度の使用が良いようです。もちろん、歯磨きをサボったりするのはNGですよ。今までうがいをしすぎていた方は、少し頻度を減らして、口の中の菌の力を信じてあげるのも良いかもしれません!
参考:Over-the-counter mouthwash use and risk of pre-diabetes/diabetes
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