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味覚が鈍ってるときには「レモン水」を飲むと回復するかも!

体の調子を崩したときや、ストレスを抱えているようなときに、なぜか食事がおいしく感じられないことはありませんか。食事のおいしさが低下したように感じられるのは、一時的に味覚が鈍っているのが原因かもしれません。そんなとき、鈍った味覚をソリッドに戻したいのであれば、「レモン水」を飲むと良いかもしれません!

「レモン水うがい」で苦味に敏感になる

これまで、レモン水を口に含むと味覚が敏感になるような気がすることが、経験的に知られていました。病院でも、病気の治療が原因で味覚障害になってしまった患者さんたちに、レモン水を与えて、味覚を改善するような対処療法も行われてきました。しかし、実際にレモン水は味覚にどのような影響を与えているのかについては、よく分かっていなかったのです。

そこで、群馬大学医学部の研究者らは、健康な女子学生20人に対して、レモン水の効果を試す実験を行いました。

実験参加者は、蒸留水か、レモンの濃度が5%,10%,15%のいずれかのレモン水を口に含んで合計で30秒間うがいしたあとに、唾液分泌量を測定され、甘味・塩味・苦味・酸味についての味覚テストに参加しました。味覚テストは、それぞれの味がする溶液を、濃度が薄い順に舌に垂らしていき、何の味がするかを正確に答えられるようになったときの濃度を調べるテストでした。

その結果、レモンの濃度があがるにつれて、唾液分泌量が増えていくことがわかりました。また、蒸留水と比べて、5%や10%のレモン水では、苦味に対する鋭さがアップしていることがわかったのです。

レモン水がもたらす2つの効果

レモン水が苦味の鋭さをアップさせた理由は2つ考えられます。

(1)唾液の分泌が増えた

1つは、レモン水によって、唾液の分泌量が増えたためです。実験では、蒸留水でうがいしたときの唾液は平均0.1mLだったのに対し、5%レモン水では平均0.47mL、10%レモン水では平均0.83mLと、レモンが増えるにつれて唾液の分泌が増えていました。

食べ物や飲み物の味は、味物質が舌の上の味蕾に届くことで感じられます。このとき、唾液の量が多いほど、味物質が唾液の中に溶け込み、味蕾の上に届きやすくなり、味を感じやすくなります。人が持つ5つの味覚の中で、酸味が最も唾液を分泌させることがわかっているので、唾液を分泌させるには、レモン水のような酸っぱいものが適しているのです。

(2)酸味が他の味を強めた

もう1つの理由としては、「交叉増強」という現象が関係しているためです。交叉増強とは、簡単に言えば、ある一つの味が口の中に充満しているときに、別の味が入ってくると、その味を敏感に感じるようになるという現象です。今回はレモン水で30秒うがいをしてレモンの酸味を口に充満させていたので、他の味に敏感になりやすい状態になっていたと言えます。

レモンがなぜ、苦味に対してのみ鋭さをアップさせたのか、その詳しいメカニズムは分かっていません。しかし、レモンの酸味成分は苦味成分と何らかの反応を起こしやすかったことから、苦味の味が強まったのだと考えられます。

苦味は他の味にも影響する

とはいえ、これを読んで「苦味以外には効果がないのか」と思われたかもしれません。しかし、苦味に敏感になることは、味全体に影響する可能性があるのです。

今回の味覚テストでは、甘味なら甘いだけの溶液といった具合に、単一の味がする溶液を飲む形式で行われました。しかし、実際の食べ物には、1つの食べ物の中に複数の味覚が含まれているものが大半です。味同士は、ときに相互作用を引き起こします。たとえば、甘いスイーツを食べた後にコーヒーを飲むと、苦味が引き立って感じられることがあるでしょう。苦味に対する感度があがることで、他の味にも影響を与え、味のコントラストを強めたり、味をはっきりさせたりすることが期待できるのです。

このように、レモン水を飲むと、苦味への鋭さが高まり、味全体の印象を改善することができるようです。なお、10%のレモン水では口の中が刺激的すぎるため、快適さも考慮すると5%のレモン水が最も良いと言えそうです。今日はちょっと味覚がおかしいなと思う日があったら、ぜひ5%のレモン水でうがいを試してみてくださいね!

参考
レモン水洗口が唾液分泌及び味覚閾値に及ぼす影響

味博士の研究所 編集部
味覚センサーレオを中心として、味覚や食の科学に関するニュースを配信しています。