日本人に馴染み深い緑茶には、殺菌効果を持つ成分や、肥満を防止する成分など、健康に役立つ成分が多く含まれていると言われています。その中の一つがビタミンC!
ビタミンCは、レモンなどに含まれていて酸っぱいイメージがあるかもしれませんが、実は緑茶の中にも含まれています。風邪の回復や美肌効果が期待できるビタミンC。できれば、一杯のお茶にたくさん含まれていてくれると嬉しいですよね。この記事では、ビタミンCをより多く抽出できるお茶の淹れ方を見てみましょう!
ビタミンCを多く抽出できる淹れ方
奈良女子大学の研究者らは、さまざまに条件を変えてお茶を淹れ、ビタミンCの抽出量を測定しました。ちなみにビタミンCには「酸化型」と「還元型」の2種類があり、体の中で効果的に働くのは還元型の方だと言われています。このため、以下では還元型のビタミンCの量の違いで話を進めます!
種類:煎茶vs番茶vs玉露
まずは、お茶の種類による比較です。実験では、京都で栽培された煎茶、番茶、玉露の3種類の茶葉を、それぞれ80℃のお湯に3分浸した時のビタミンCの抽出量が調べられました。その結果、煎茶が458.6mg、番茶が255.6mg、玉露が197.7mgと、煎茶が一番多く抽出できることがわかりました。
ただし、抽出の割合は、煎茶が72.0%、番茶が35.7%、玉露が95.4%と、玉露が最も高いこともわかりました。含まれる絶対量は煎茶の方が多いようですが、上質な玉露のほうが茶葉に含まれるビタミンCを余すくことなく抽出できると言えそうです。
温度:60℃vs80℃vs100℃
次は淹れる温度による違いです。奈良県産の上級・中級・下級3タイプの煎茶の茶葉を使って、お湯の温度を60℃、80℃、100℃と変えて3分ずつ抽出し、それぞれのビタミンCの抽出量が調べられました。その結果、どの茶葉でも温度が高くなるほど還元型のビタミンCが多くなり、酸化型のビタミンCは少なくなる傾向がありました。例えば中級茶葉では、還元型が60℃で261.8mg、80℃で306.4mg、100℃で393.0mgという具合に増えました。
なお、上級な茶葉ほど、温度が低くても高い割合でビタミンCを抽出できることがわかりました。ビタミンCを多く取るという点では、なるべく熱々のお湯で淹れたほうが良いと言えそうです。
抽出時間:1分vs3分vs5分
最後に、抽出時間の違いを見てみましょう。先ほど同じ上級・中級・下級3タイプの煎茶の茶葉を使って、今度は80℃のお湯で抽出時間を1分、3分、5分と変えた場合のビタミンC抽出量が調べられました。その結果、抽出時間が長くなるほどビタミンCがよく抽出できることがわかりました。例えば、中級茶葉では、1分では188.1mg、3分では306.4mg、5分では383.5mgと増えていきました。
ただし、上級な茶葉は5分でほとんどのビタミンCが抽出されきってしまいますが、下級の茶葉で同じ割合のビタミンCを得るには、10分ほど抽出を続ける必要があるようです。
このように、茶葉の種類やお湯の温度、抽出時間などによってお茶の中に含まれるビタミンCの量は変化するようです!市販の安い煎茶を使う場合は、熱い温度で、なるべく長い時間抽出を続ける淹れ方が、ビタミンCを効率的にとるには良いと言えるでしょう。少し渋めな味になってもビタミンCをとりたいという時には、ぜひ試してみてください!
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