健康診断で「尿酸値が高い」などの結果が出たときに気になり始めるプリン体。通常は体内で分解され、尿酸に変化して排出されるプリン体ですが、尿酸の量が多すぎると排出が追いつかず体内に蓄積されてしまいます。これが痛風の原因と言われています。
プリン体を多く含む食品といえばレバーや白子などが挙げられますね。また、ビールも量はそれほど多くないものの、飲みすぎることで痛風の危険性が高くなると言われます。食事をまるごと改善するまではいかなくとも、普段から食事に気をつけている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
では、普段食べるもの、例えば調味料や主食にはどれだけのプリン体が含まれているのか、そんな研究の結果をご紹介します。
調味料、主食に含まれるプリン体の量は?
実験ではケチャップ、カレールウ、中華だしの調味料3種類と、スパゲッティ(乾麺)、うどん、そば、春雨、こんにゃく、食パンの主食6種類が用意されました。
前処理として均一に粉砕した食品を凍結乾燥し、70%過塩素酸で加水分解。水酸化カリウムで中和後、遠心した上清をキサンチンオキシターゼ処理をし、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)でプリン体量が測定されました。
結果、調味料ではケチャップとカレールウ、主食では6種類全て(スパゲッティ(乾麺)、うどん、そば、春雨、こんにゃく、食パン)が0.33〜16.17mg/100gと、高尿酸血症、痛風の治療ガイドラインにおける分類にて「極めて少ない(0〜50mg/100g)」とされる数値でした。
超過したのは中華だし。プリン体は508.94mg/100gで、「極めて多い(300mg以上/100g)」と分類されます。
これは、中華だしの原料にプリン体含有量が多い肉類が含まれているためだと考えられています。プリン体は、成分的には旨味の成分。イノシン酸やイノシンが多く、また水分を飛ばして粉末になっているためにプリン体が凝縮されているようです。
プリン体は穀物をはじめ肉や魚、野菜など食品全般に含まれますが、ケチャップやカレールウなどは野菜や果物といったプリン体量が少ない食物が使われているためにプリン体量が少なかった様子。
以上のことから、自分の意識として普段の食事でプリン体の摂取を減らすためには、旨味成分が凝縮されただしなどは少なめにした方が良さそうです。とはいえ、制限のしすぎは栄養バランス的によくないとも言われます。バランスよく食べて健康な体を作っていきたいですね。
参考:
調味料および主食となる食材に含まれるプリン体の定量
「プリン体」とはなんですか? サントリーお客様センター
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