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塩の好みにも地域差がある!?塩の種類による嗜好の違い

塩の好みにも地域差がある!?塩の種類による嗜好の違い

東は濃口、西は薄口、東北の料理はしょっぱい、九州は甘いなど、同じ日本のなかでも地域によって分かれる、味付けの傾向や味の好み。

しかし実は、地域による味覚の嗜好差は「濃度」だけの問題ではなかったんです。塩の種類による味覚的嗜好について検討した研究[*]によると、塩の“種類”によってもその嗜好に地域差が生じるようです。

沖縄の人は自然海塩、東京の人は食塩がお好き

被験者は沖縄県石垣島在住者と東京都港区常勤者。

沖縄県石垣島在住者は平均年齢49.0歳の男性3名、平均年齢46.8歳の女性13名の計16名。東京都港区常勤者は平均年齢42.4歳の男性5名と平均年齢45.5歳の女性2名の計7名です。

試料として用意された塩は以下の3種類。

・食塩・・・純度ほぼ100%の塩化ナトリウム
・再現自然塩・・・塩化ナトリウムと塩化マグネシウムを97:3(重量比)で調整したもの
・自然海塩・・・沖縄県石垣市の名蔵湾内水深20m地点の海水から生成した被験物質

これらを用いて9種類の試験溶液を調製して官能試験を実施。被験者がもっとも美味しいと感じる最適濃度を検出しました。ちなみに最適濃度の地域差は小さかったようです。

その後、最適濃度の試験液を使って嗜好試験が実施されました。結果、美味しいと感じられた塩は、以下のとおりに違いがあったんです。

沖縄県石垣島在住者

1位:自然海塩
2位:再現自然塩
3位:食塩

東京都港区常勤者

1位:食塩
2位:再現自然塩
3位:自然海塩

沖縄県石垣島在住者自然海塩を好むのに対して、東京都港区常勤者が好むのは食塩。双方の「美味しいと思う塩」に対しては真逆の結果となりました。

薄い味、濃い味などの違いは地域差がありますが、本試験では被験者それぞれが好む濃度の試験液で実験がされています。つまり、塩味の濃さによる嗜好性は加味されていません。

論文では、塩専売法の施行による影響で、この法律が適用されなかった石垣島などの先島地方で自然海塩が使用されることが多く、食べ慣れている味であったことがこの嗜好の由来であることが示唆されています。

年代などによって食塩を使用していた家庭で育った人は、沖縄県石垣島在住でも食塩を好む……といったこともありえそうですね。

 

 

「おふくろの味」というように、幼少の頃から慣れ親しんだ味覚はやはり「美味しい」と感じるもの。育った地域、家庭で使われていた調味料は大人になっても舌に馴染み、たとえ塩の種類というわずかな違いをも違和感と捉えるのかもしれませんね。

参考:*自然海水塩に対する味覚的嗜好に関する検討

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