例えばマカロンのようにたくさんの色がある食べ物を食べるとき、あなたはどの色を選びますか?自分の好きな色をそのまま選ぶ人もいれば、自分の好きな食べ物の色と近しい色を選ぶ人もいると思います。
とはいえ、一般的に赤や緑といった「美味しそう」な色を選ぶ人が多いのではないかと思いきや、年齢や性別によって異なるようです。
「食べたいと思う色」、幼稚園児と大学生・男女での違い
和菓子の練りきりを用い、嗜好性の年齢・性別における差を調べた実験があります。これは幼稚園児(年中・年長)の男子44人、女子45人と、大学生の男子56人、女子82人を対象に行われました。
用意されたのは赤・橙・黄・緑・紫・茶・白・黒の8色。そのうち赤、橙、黄、緑、紫に関しては薄い色、濃い色の2種が用意され、合計13種類の練りきりが用意されました。
そのなかで、「食べたいと思う色」の調査における上位の結果をまとめると、以下のとおり。
幼稚園児(男子)
1位:白
2位:黒
3位:濃い紫(濃)
幼稚園児(女子)
1位:赤(薄)
2位:橙(濃)
3位:赤(濃)・緑(薄)
大学生(男子)
1位:赤(薄)
2位:白
3位:緑(薄)
大学生(女子)
1位:白
2位:赤(薄)
3位:緑(薄)
幼稚園児の場合、男子は暗い色、女子は女の子がよく好む色にはっきり分かれています。反面、大学生では幼稚園児のような偏りは見られず、順位の違いはあるものの、どちらも白・赤(薄)・緑(薄)の3色で上位3つが占められています。
また、色のトーンに対して行われた分析では、男子は幼稚園児では濃いトーン、大学生では薄いトーンを選ぶ傾向、女子は幼稚園児、大学生ともに薄いトーンを選ぶ傾向が示されています。
成長するに従って自分の好きな色というよりも一般的に「美味しさ」を喚起させる色のものを食べたいという気持ちが強くなるのでしょうか。結果を見ると、幼稚園児の場合は自分の好きな色=食べたい色、大学生の場合は「食品として美味しそうだと思う色」にシフトしているように感じます。
もしあなたが誰かに料理を振る舞う場合、こうした結果を参考にしてみても面白いかもしれませんよ!
参考:練りきりの色彩構成が幼稚園児および大学生の食嗜好性に及ぼす影響
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