どうして夏は麦茶なの?
汗ばむ夏。暑い外から帰ってきて、冷蔵庫を開けて一番に取り出す飲み物といえば…なんですか?そう、麦茶です!
夏の飲み物の定番中の定番である麦茶。緑茶や紅茶、烏龍茶は、全て同じお茶の葉から生まれますが、麦茶は大麦の種子を焙煎して作られます。もともとはこの大麦の収穫期が初夏だったことから、夏に麦茶が飲まれる習慣が根付いたようです。
長い間、日本の夏に欠かせない飲み物として親しまれていた麦茶、実は実力もスゴイんです!
1. 安心して飲める「カフェインフリー」
眠気覚ましの代名詞とも言えるカフェインですが、大量に摂取すると不眠や不整脈などの症状を引き起こすことも[※1]。茶葉から作られる緑茶やコーヒー、紅茶には通常カフェインが含まれます。しかし、大麦が原料である麦茶にはカフェインが含まれていないんです。
水分を必要とする夏だからこそ、安心して飲めるカフェインフリーの麦茶は嬉しいですね。ただし、製品によっては含まれているものもありますのでご注意ください。
2. 胃の粘膜を保護してくれる「アラントイン」
麦茶の効能はまだあります。例えば、夏においしい辛い物や味の濃いものを食べすぎて胃が炎症を起こしているような時には、胃の粘膜を保護してくれる「アラントイン」という成分が働いてくれます。
カフェインが含まれていないこともあり、胃に刺激を与えずに粘膜の保護までしてくれる麦茶。暑さで体力、胃腸の働きが落ちやすい季節の夏にうってつけです。
3. 「アルキルピラジン」で血液サラサラ効果
夏バテの原因のひとつである血流の悪化[※2]。それを改善してくれるのが麦茶の香ばしい香りのもと、「アルキルピラジン」です。カゴメ株式会社総合研究所の実験によると、アルキルピラジンを多く含む麦茶を飲むと、飲用前と比べ飲用30〜60分後の血液流動性が優位に向上するそう [※3]。
ちなみに実験で使われたのは濃度2.4ppmの「六条麦茶」です。
ところで、麦茶を飲む際にはいくつか注意すべき点があります。まず、原料である大麦には痛みやすいでんぷん質が含まれているということ。特に夏は、大量に作りおきをせずに早めに飲みきったほうが良いですね。また「アラントイン」は過剰な胃酸の働きを抑える効能があるので、消化の妨げになる食事前後は摂取を避けて飲みましょう。
効能と飲み方をきちんと知って、麦茶のメリットを最大限に活かしてください!
参考:
※1 食品中のカフェイン 食品安全委員会
※2 【注意】冷たい飲み物がかえって夏バテの原因になっていた!?
※3 研究成果サマリー 香ばしい麦茶は血液をサラサラにする!
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