美味しい!けど難しい「高温」焼き
ピクニックの季節ですね!お弁当に欠かせないのが美味しい卵焼き。「味博士の研究所」では以前「冷めても美味しい!ふっくら卵焼きの焼き方」で、卵焼きを美味しくふわふわに仕上げるには高温で焼いて気泡を入れる必要があることをお伝えしました。
しかし、卵焼きを高温で焼くのは意外と難しいもの。「一部だけ焦げついて失敗してしまった……」なんて経験はありませんか?高温で焼くのは難しいし、低温では気泡ができにくくふわふわにならない……そんなときにおすすめなのが銅のフライパンです。
ふわふわの卵焼きを作るには銅のフライパンで!?
銅のフライパンの特徴は物質に熱を伝える力、つまり熱伝導率が高いこと。これが高ければ高いほど、食材に早く熱を伝えることができるということになります。
材質の異なる鍋の調理直性を調べた研究[※1]によると、材質ごとの熱伝導率は銅がダントツで高い結果となっています。
・銅 398.0 W/m・K
・アルミ鍋 237.0W/m・K
・多層鍋 213.9 W/m・K
・ホーロー鍋 78.7 W/m・K
・ステンレス鍋 35.3 W/m・K
・パイレックス鍋 1.1 W/m・K
・土鍋 1.0 W/m・K
では、なぜ熱伝導率が高い素材が卵焼きに向いているのでしょうか。熱伝導率が高いと、温度ムラが少なくなります。銅の卵焼き器は火にかけている間は温度が下がりにくく、全体が均一に高温に。また、同じ理由で卵液を加えるたびに温度が下がることもありません。
つまり銅の卵焼き器は、全体に高温が行きわたり、ムラなくふわふわのもとである気泡が出来るのです。ムラなく高温になるということは、一部だけが生焼けになりにくいということでもあります。焦げ付く前に一気に巻けるから、きれいな黄色に仕上げやすいんですよ。
「卵料理が美味い人は料理上手」と言われることもあるほど難しい卵料理ですが、道具を変えるだけで調理が簡単になることも。本格的な道具を使いこなして、いつもの卵焼きを格段に美味しく仕上げてみてはいかがでしょうか。
参考:
家庭料理技能検定学習ガイド1・2級
※1 材質及び厚さの異なる鍋の調理適性に関する研究
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