カロリーの正体
最近ちょっとお腹周りが気になる…など、ダイエットの文字がちらついてくると気になるのが「カロリー」。「パスタとハンバーグ、どっちのほうがカロリー低いかな?」「この運動で何カロリー消費できたかな?」なんて考えることも多いですよね。ところでこの「カロリー」が何かは、具体的にご存知ですか?
「カロリー」とはエネルギー(熱量)の単位のこと。1kgの水の温度を1℃上げるのに必要なエネルギーは1kcalで、通常の食事で摂取するカロリーはkcalで表されます。
食品中に含まれるカロリーはタンパク質や炭水化物が4kcal/gであるのに対し、脂質は9kcal/gと高カロリー!脂質1g消費するのに9kcal必要であることを示しているのです。ちなみに、炭水化物の中でも食物繊維など体内で消化できないものは0~2kcalと言われています。
1日の摂取カロリーはどのくらい?
1日に摂るべき摂取カロリーの目安は厚生労働省から「日本人の食事摂取基準」として以下の通り示されています。
推奨摂取カロリーの目安
20~40代男性 2,300~3,050kcal
20代女性 1,650~2,200kcal
30~40代女性 1,750~2,300kcal
しかし、この数値はあくまでも目安で、実際には一人ひとり1日に必要なカロリーは違います。自分の必要摂取カロリーを計算してみましょう。
まず、人が生きていく上で最低限必要なカロリーを基礎代謝量と言います。
体重1kgあたりの基礎代謝量
・20代男性…24kcal、女性…22.1kcal
・30~40代男性…22.3kcal、女性…21.7kcal
この値に自分の体重をかけたものが自分の基礎代謝量となります。
これはただ生きていくためだけのエネルギーです。さらに動くための活動エネルギーとして身体活動レベル指数を乗ずる必要があります。
身体活動レベル指数
身体活動レベルⅠ指数:1.5 ほとんど運動せずに座っていることが多い人。
身体活動レベルⅡ指数:1.75 通勤、通学時に立つ事が多い、家事、軽度のスポーツをする人。
身体活動レベルⅢ指数:2.0 立って仕事をする、スポーツなどの運動を習慣としている人。
つまり、1日に必要なカロリーは
「1kgあたりの基礎代謝量(kcal)×体重(kg)×身体活動レベル指数」
で計算できます。これが1日で身体が燃焼できるカロリーなのです。
体内で燃焼できるより多い量のカロリーを摂取するとどうなるの?
1日に必要なカロリーを毎日きちんと摂っていればいいのですが、その日によって多かったり少なかったりと差があります。また、甘いものやおいしいものの誘惑についつい負けてしまうことも。
では、体内で燃焼できる量より多くのカロリーを取ってしまった場合どうなるのでしょうか。「体に脂肪をつけないためなら脂肪分だけ減らせばいい」なんて思っていませんか?
実は余ったカロリーはすべて体脂肪として身体に蓄積されます。これは飢餓に備えた身体の防衛機能で、脂質はもちろん、タンパク質、炭水化物であっても余ったカロリーはすべて体脂肪となり体に蓄えられるのです。
ちなみに、つきすぎてしまった体脂肪を1kg減らすのに必要なカロリーは7,200kcal。1ヶ月でこれを減らそうとすると1日あたり240kcalとなります。これはご飯1膳分(140g程度)と同等です。これだけのカロリーを毎日必要なカロリーより減らせば1ヶ月で1kg減量でき、ウエストサイズも約1㎝減らせます。
ただし、ご飯を減らすだけでは筋肉がつかず基礎代謝量そのものが減ってしまうので、ダイエット中はいつもよりよく動くようにし、運動プラス食事のカロリーを減らすようにするのがおすすめです。
参考:
タニタ「健康の作り方 カロリーとは」
日本人の食事摂取基準(2015年版)の概要
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