ハチミツって食べても太らないの?
甘いものは一般的に太るというイメージですが、「ハチミツは体重が増えない」と言われます。でも、あんなに甘いハチミツが太らないなんてにわかには信じられませんよね。
実際にハチミツは健康食品と言われている天然の甘味料。ハチミツが太らないならダイエットの強い味方になるはずですよね。ハチミツで太らない理由を調べてみました!
砂糖に比べて少量でも甘さが味わえるハチミツ
まず、ハチミツと砂糖の成分を比べてみましょう。
ハチミツの成分
果糖35%、ブドウ糖38%、その他ビタミン・ミネラルなど
100gあたり294kcal
砂糖の成分
ブドウ糖と果糖が結合した「ショ糖」
100gあたり384kcal
カロリーはハチミツより砂糖のほうが若干高めです。しかし、甘さはハチミツのほうが強く、砂糖大さじ1=15ml(9g)に対し、ハチミツ小さじ1=5ml(7g)でほぼ同じ甘さになると言われています。砂糖大さじ1、35kcalに対しハチミツ小さじ1、21kcalが同じ甘さとなるため、単純にカロリーで見るとハチミツのほうが少なくなるのです。
ハチミツが体重を増加させない理由は他にもあります。
ハチミツは脂肪をつきにくくする!?
京都産業大学が糖尿病のマウスにハチミツ、ブドウ糖、ショ糖をそれぞれ与え続け、血糖値や体重の増加はあるか、またその要因などを調べた研究[※1]の結果、ハチミツを与えられ続けたマウスはブドウ糖、ショ糖に対して体重や脂肪量の増加が緩やかでした。さらに血糖値の上昇も緩やかで、血中遊離脂肪酸の減少も見られたのです。血糖値を急上昇させないことで脂肪を体内に取り込むインスリンの分泌も抑えられるため、脂肪が体につきにくくなります。
また、原因を調べるためハチミツや他の糖におけるAMPKのリン酸化が比較されました。AMPKとはアデノシン三リン酸(ATP)を分解するタンパク質リン酸化酵素で、リン酸化により糖や脂肪の分解を進め、エネルギーを出す働きがあります。AMPKのリン酸化が進むと運動するのと同じ状態になり、血糖値の上昇や脂肪の合成を抑える効果もあります[※2]。
結果、ハチミツには他の糖に対し明らかな増加が見られました。つまりハチミツはAMPKのリン酸化により消費エネルギーが増加し、血糖値の上昇を抑え、血中遊離脂肪酸を減少させることにより脂肪がつきにくくなり、体重増加を抑えているのではないかと考えられます。
ハチミツがここまで万能だったなんて…
以上、ハチミツを食べても体重が増えにくい理由をまとめてみると、以下の2つになります。
・砂糖に比べ甘味が強くカロリーが低い
・AMPKのリン酸化により血糖値の上昇を緩やかにし、体重増加を抑えている
また、ハチミツのブドウ糖からつくられるグルコン酸は、腸内環境を整える働きがあります。消化吸収の早い単糖類(ブドウ糖、果糖)が主成分なので脳への直接の栄養となり、素早い疲労回復の効果も期待できます。
ただ、ハチミツの成分で甘みが強い果糖は、40度以上に加熱すると砂糖よりも甘味が落ち摂りすぎてしまいますので、そのままかけたりドリンクに入れたりして使うようにするのがおすすめです。
参考:
※1 糖尿病マウス(NSY)に対する国産ハチミツの影響
※2 AMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)の活性化を目標としたがん治療
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