睡眠の質が味覚感知に影響する?ゆっくり休んで味覚の正常化を図ろう

良い睡眠で良い味覚を。

今年もあとわずかとなりました。お正月休みに突入し、ゆっくりと羽を伸ばしている方も多いのではないでしょうか。暦上では2016年のシルバーウィークが単なる3連休でしたから、ゴールデンウィークぶりに4日以上の連休を堪能している方もいらっしゃるでしょう。ちなみに2017年もシルバーウィークは3連休です。

長い連休は多忙で削られた睡眠時間を取り戻し、睡眠の質を向上させ、疲労を癒す絶好のチャンス。良い睡眠は良い味覚にもつながります。というわけで今回は睡眠と味覚の話をしたいと思います。

睡眠と味覚の基礎知識

あなたの味覚は大丈夫?ホントは怖い味覚障害でもご紹介したとおり、味覚障害には様々な要因があります。なかでも睡眠と関係するのは6の「心理的な緊張・不安」。睡眠と自律神経の結びつきは深く、睡眠不足による自律神経の乱れで「美味しさ」を感じられなくなる可能性があります。

食べ物が口に入ると舌にある味を完治するセンサーの「味蕾」から味細胞に味が取り込まれ、一次視覚野で嗅覚や視覚といった情報と統合されることでその味がどのようなものかを判別します。さらに記憶や感覚をつかさどる扁桃体という部分において「美味しい」「まずい」という判断が下されます。

扁桃体は自律神経への負担によって刺激されにくくなることで美味しいという感覚、そこから発生する幸福感に影響を及ぼします。しかしそもそもの味覚の判別においても、睡眠の質が関連しているようなのです。

睡眠の質は味覚に影響する?

大阪教育大学による大学生・大学院生を中心とした20代〜30台の男女72名のアンケート調査結果において、甘味の検知、塩味の検知と認知、酸味の検知閾値において睡眠の質と相関があることがわかりました。

酸味については精神、身体的ストレスにおいても感知が上昇するという報告がありますが、人体の健康を害する要因としてはあまり有力ではありません。違う味のものを繰り返し食べてしまう行為においても、酸味を投入することで負のスパイラルから抜け出すことができたりします。

問題なのは甘味と塩味。これらの味覚の検知域値が下がることで大量の糖質や塩分の過剰摂取が起きてしまうとあらゆる病気のもとになってしまいます。

厚生労働省による2016年国民健康・栄養調査によると、睡眠の質に関して何らかの問題がある割合は、男女ともに6時間未満の睡眠時間の群が有意に高い結果。なお、最適な睡眠時間は人によって異なりますが、6時間以上8時間未満程度が妥当ではないかと言われています。

この機会に心身ともにリラックスして体を休め、規則正しい生活を心がけてはいかがでしょうか。

参考:
睡眠と気分状態が味覚感受性に及ぼす影響に関する研究
健康づくりのための睡眠指針 2014
国民健康・栄養調査|厚生労働省

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