味覚力を鍛えよう!味覚力チェックと味覚力トレーニングのススメ

あなたは味覚力に自信がありますか?

あなたの味覚は大丈夫?ホントは怖い味覚障害で発信したとおり、味覚障害は食欲とも関係している深刻な問題です。

しかし、自分の味覚力がどのくらいなのかは知っていますか?

人間の体で味を感じるセンサーとして機能しているのが舌の味蕾細胞。味蕾細胞は10日に1度生まれ変わるため、このスパンで隠れ味覚障害になっている可能性もあるんです。

自分の味覚力をチェックして、幸せな生活を送ろう!…というわけで今回は簡単な味覚力のチェック方法と鍛え方をご紹介します。

簡単!味覚力チェックをやってみよう

用意するものは以下のとおり。
・水・・・100cc
・砂糖・・・1g

こちらを混ぜて砂糖水にします。目安としては、コップ半分強の水に小さじ1/3の砂糖。

そしてこれを・・・味覚力チェックをしたい人に飲ませます。そう、実はこのテスト、「何も知らない状態」で飲んだほうが効果が高いんです。砂糖を混ぜて作った場合、脳が「甘いだろう」と予想できてしまいますからね。ご家族や友人と試すと効果的。

さて、通常は「甘い」と感じるはずのこのテストですが・・・
味覚が鈍くなっている状態ではしょっぱかったり、酸っぱかったり、という感想を述べる方も多いんです!

実は味博士の研究所(AISSY株式会社)の調査によると、この砂糖水が砂糖水であることを知らせず飲用した場合、「甘い」と答えた人は全体の7〜8割程度
残りの人は「しょっぱい」「酸っぱい」といった回答でした。

味覚力トレーニングの方法とは?

「味覚力テスト」を実施して、甘いと感じられなくても心配ご無用!
最初に述べたとおり、味蕾細胞は10日に1度生まれ変わります。10日後には隠れ味覚障害になっている可能性もありますが、味覚を鋭くすることもできるんです。

それでは味覚力のトレーニング方法を3つご紹介します。

1. 食事を摂る際には味の種類を意識しよう

「味の宝石箱や〜!」に対する憧れは捨て、料理の感想を一言で終わらせるのは止めましょう。
基本5味(甘味・旨味・苦味・酸味・塩味)ひとつひとつの味を意識して味わうことで、味覚神経が活発に働くようになります。

たとえばこちらは納豆とヨーグルトの味覚センサーレオでの検証結果

納豆とヨーグルトの相性が抜群に良い…というのは味覚センサーレオですでに証明された事実ではありますが、実際に食べたときのコメントはこうなるでしょう。

「旨味と塩味がヨーグルトの酸味によって絶妙に混じり合い、なめらかな味のハーモニーを醸している…!」

もちろん普段食べるもの全てに味覚センサーレオでの結果が参照できるわけではありませんから、ゆっくり噛んで味わいながら、味の分析をしてみましょう。
コメントもぜひ詳しく。「甘味と酸味が強いけれど、わずかな苦味がアクセントになっている。これは美味しい」といった具合です。

2. 味の種類を”記憶”してみよう

これは1の「味の種類を意識する」の応用です。ひとつひとつの味を分析できるようになったら、その味を記憶してみましょう。

一例として、ケンタッキーとコンビニチキンの検証結果をご紹介します。

ケンタッキーは旨味・塩味がもっとも高く、セブンイレブンは甘味が低めでさっぱり系、ファミリーマートは甘味、ローソンは塩味が強い…といった特徴が。

このように、同じ名称の料理でも製法によって味の違いは生まれます。日々の料理でも、「砂糖と塩を間違えた」「今日は醤油入れすぎちゃった」など調味料の配合によってまったく異なった味になるはず。

「ケンタッキーは旨味・塩味・甘味が強くてジューシーだったけど、ファミマのチキンはなんか甘い感じしない?」など、友人とコメントし合いながら食べると効果的です。「自分、ぼっちなんですけど」という方は食べ比べた結果をメモ帳に記録してみてはいかがでしょうか。

3. 積極的に複雑な味わいを楽しもう

甘いものが好きだからといって甘味が特出している単純な味のものばかり食べていたりすると、味覚神経はどんどん鈍くなってしまいます。ずっと同じ運動では同じ筋肉しか鍛えられなかったり、国語の勉強だけをしていたら国語しかできるようにならないのと同じなのです。

バランスよくすべての味覚が鍛えられるよう、複雑な味わいの食べ物で味覚をまんべんなく鍛えていきましょう。

料理を作るときも複雑な味わいを意識してみてください。

一例として、カレーにメープルシロップを加えた検証結果をご紹介します。

まずはこちらがとある市販のカレールーのグラフ。

ここにメープルシロップを加えると…

甘味と酸味(赤丸)および塩味と旨味(青丸)の強さがほぼ同じに。より複雑な味わいになり、コクが増しました。

このように「足りない味を加えてコクを出す工夫」をしていくと、自ずと複雑な味わいの料理も作れるようになります。なんということでしょう、一石二鳥ですね。

基本は舌を薄い味に慣らしておくこと

最後になりましたが、基本のポイントは薄い味のものを意識して食べ、舌を薄い味に慣らしておくこと。これ、実はかなり重要なんです。

濃い味に慣れてしまうと味覚が鈍ってしまうため、味を分析することが難しくなります。また糖分や塩分を摂りすぎて健康を害してしまうことも。

薄い味に慣れた舌を持った生活を想像してみてください。そのままでも野菜の味をしっかりと感じられたり、丁寧に抽出された出汁の旨味を存分に感じることができます。いままで感知することのできなかった、新たな美味しさを発見できることでしょう。

ぜひ味覚力を鍛えて、味覚神経的にランクアップした食生活を手に入れてくださいね。

関連記事:
【発見】納豆にヨーグルトが相性バツグンだと味覚センサーで証明される
ケンタッキーvsコンビニチキン、「味の違い」が明らかに!
カレーを劇的に美味しくする隠し味は「メープルシロップ」だと主張したい
料理の「コク」って何?コクは数値化できる!

味覚の知識カテゴリの最新記事