カマンベールチーズには格がある
チーズのなかで、もっとも有名で、もっとも広く愛されているものと言えば、「カマンベール」でしょう。
そのまま食べてもミルキーな味わいでおいしいですが、フライやチーズフォンデュにしたりなど、調理の幅が広いことも魅力のひとつです。一時は、「カマンベール鍋」なんかも流行しました。
しかし実は、このカマンベールには、「格」があることをご存知ですか?
スーパーで購入するカマンベールチーズとは違い、非常に厳しい条件によって作られているカマンベールチーズがあります。
それが、「カマンベール・ド・ノルマンディー」。審査があるだけあって、お値段も少しお高めです。
今回はこのお高いチーズ(カマンベール・ド・ノルマンディー)とその辺のスーパーで購入した安いチーズ(普通のカマンベール)でどれだけ味が違うのか…
お高いチーズにお高いお値段を出す価値があるのか!?を味覚センサーで検証します。
選ばれしチーズ「カマンベール・ド・ノルマンディー」
”カマンベール・ド・ノルマンディー”という名前を名乗るには、以下の条件が必要になります。
・フランスのノルマンディー地方で作られている
・殺菌をしていない牛乳を使っている
・伝統的な手法でなければならない
・直径10.5~11センチで、重さは250グラム以上、高さは3センチ以上
・丸く作る
これらをクリアしたものでないと、この「カマンベール・ド・ノルマンディー」の名前を名乗ることができないのです!
ちなみにこちらの「選ばれしチーズ」カマンベール・ド・ノルマンディー様のお味については、香りが豊かで、味も濃く、ややクセが強い傾向にあります。
「カマンベール」というと、一般的には「カビのチーズのなかでも食べやすい味わいである」といったイメージがありますが、カマンベール・ド・ノルマンディーは、カマンベールとは違い、押し出しや個性の強い味です。
白ワインやシードルとの相性がとてもよく、チーズの旨味を存分に楽しめます。また、非常に濃厚な旨味があるため、赤ワインを受け止めることができます。
カマンベール・ド・ノルマンディーVSカマンベール
それでは実際に選ばれしチーズである「カマンベール・ド・ノルマンディー」と通常の「カマンベール」の味を人間の味覚を模した味覚センサーレオで比較してみましょう。
ここでは、特に違いがわかりやすい「甘味」「旨味」「コク」について取り上げます。
まずは甘味から。
これは…ちょっとびっくりするくらい、数値で見ると全然違いますね。高いチーズの方が芳醇な甘さがあり、食べやすいことが明確です。
お次はチーズのメイン、旨味。
旨味のあるチーズというのは、少量でも強い満足感をもたらします。この「旨味」が強いのは、やはり…高いチーズ。
最後にコクです。
深い味わいと、舌を楽しませる濃厚なコク……。それはチーズの楽しみのうちの一つです。高いチーズではそれが存分に楽しめます。お酒の肴にも使いやすいことがわかりますね。
味覚センサーレオで検証すると、高いチーズの方がやはりおいしいという結果に…。費用の面で折り合いさえつけば、高いチーズのほうがおすすめです。
ただ、もちろん、「カマンベール・ド・ノルマンディー」「カマンベール」と一口にいっても、生産者や生産地、熟成期間によって味わいには違いがあります。そのため、「普通のカマンベールなのに濃厚な味である」と判断されるチーズもあるかと思われます。今回の安いチーズは当該チーズの名誉のために伏せておきますが、種類によっては高いチーズを超えるものもあるかもしれません…
また、どちらのチーズでも、表面は固くなっています。この固くなった部分も美味しいのですが、少しえぐみや食べにくさを感じるかたは剥して食べてくださいね。熟成が進んだカマンベール(カマンベール・ド・ノルマンディー)や一部のチーズでは剥すことが難しいこともあるので、その場合は皮のなかにスプーンを入れて、チーズをすくいとる方法をとりましょう!