減塩したいけど、減塩メニューは美味しくない…
日本人が世界に誇る和食。繊細な味わいと豊かな食材、優れた栄養バランスが魅力的な一方で、一つだけ欠点があります。それは、塩分が高いこと。世界保健機関(WHO)が推奨する食塩の摂取量は5g未満なのに対し、日本人は平均10.4gの塩分を摂っていると言われています。
どうして和食の塩分が高くなりがちかと言いますと、味噌や醤油といった塩分の高い調味料を使用するからです。最近では、そうした調味料の使用を控えめにしたり減塩調味料を用いたりするような、いわゆる「減塩メニュー」が増えていますが、減塩メニューは普通のメニューと比べて味が劣ってしまう場合が多いのではないでしょうか。
そこで、今日は、味噌や醤油をケチャップに置き換える「置き換えケチャップ」という斬新な手法で、美味しく減塩する方法を紹介します!
「置き換えケチャップ」は美味しく減塩できる!
置き換えケチャップでは、味噌や調味料といった調味料の半分をケチャップに置き換えることで、塩分を30~40%カットできるだけでなく、砂糖や和風だしの素の使用量も半分におさえることができます。
と書いても、「和食にケチャップなんて邪道だ!」とお思いの方も多いでしょう。そんなあなたのために、事前調査として男女38名に「置き換えケチャップ減塩メニュー」(肉じゃが)を実食してもらいました。その結果、94.7%の人が「おいしい」と答えました。いかがでしょう、ちょっと試してみたくなりましたか?
美味しさの秘訣は「旨味の上昇」
続いて「美味しそうなのはわかった、でも本当に減塩になるの?」という疑問にお答えします。今回は、置き換えケチャップで、和食の定番「肉じゃが」と「さばの味噌煮」を作ってみました(レシピは記事の最後でお教えします)。それぞれ、通常のレシピで作ったものと、置き換えケチャップで作ったもの、一般的な減塩レシピで作ったものについて、食べ物の味覚を数値化できる味覚センサー「レオ」で味覚を分析してみました。
その結果、塩味の強さは減塩メニューと置き換えケチャップで同程度となりましたが、注目すべきは旨味の値です。
肉じゃが、さばの味噌煮のどちらにおいても、置き換えケチャップの場合は旨味が高い値となりました。一般的な減塩メニューが美味しく感じられない理由の一つに旨味が低いことが挙げられます。置き換えケチャップではそうした旨味の低下をカバーするどころか、通常のレシピで作った場合よりも旨味が高い値となっているため、より美味しくなっていると言えるでしょう!
置き換えケチャップ減塩レシピを大公開
最後に、肉じゃがとさばの味噌煮の置き換えケチャップレシピをお教えします!
【肉じゃが】
●材料(4人分): じゃがいも3個(450g)、玉ねぎ1個、豚薄切り肉200g、サラダ油大さじ1、水2カップ、和風だしの素(顆粒)小さじ1弱、砂糖大さじ2.5、醤油1.5、トマトケチャップ大さじ1.5
●作り方:
1)じゃがいもは皮をむき一口大に、玉ねぎはくし型切りに、豚肉は5~6㎝幅に切る。
2)フライパンにサラダ油を熱して玉ねぎ、じゃがいも、豚肉の順に炒め、水、和風だしの素を加える。
3)沸騰したらアクを取り、砂糖、醤油、トマトケチャップの順に加え、ふたをして弱火で約15分煮込む。
4)じゃがいもに火が通ったらふたをとり、強火にして煮汁を煮詰める。
【さばの味噌煮】
●材料(4人分): さば4切れ、水1カップ、砂糖大さじ1.5、酒1/4カップ、しょうが1片、味噌大さじ1.5、トマトケチャップ大さじ1.5
●作り方:
1)鍋に水、砂糖、酒、しょうが(薄切り)を入れ火にかけ、煮立ったらさばを皮を上にして加える。
2)ふたをして弱火で約10分煮る(途中、さばに煮汁をかける)。
3)味噌、トマトケチャップを煮汁に加えて溶かし、約5分煮る。
あなたもぜひ、置き換えケチャップで美味しく減塩にトライしてみてくださいね!