こってりラーメンはお酢で食べやすくなる
ラーメンは外食の中でもかなり好みが分かれるほうで、とにかく濃厚こってり脂肪たっぷりなタイプが好きな方もいれば、あっさりさっぱり後を引かないタイプが好きな方もいらっしゃるでしょう。
しかし、「こってり」とか「あっさり」といった表現、なんとなく意味合いは分かるものの、人やお店によってその感覚は違いますよね。「あっさり」と称されるラーメン店に入ったはずなのに私にとっては「こってり」だった、といったことは時折あると思います。
そうした時に味を変えてくれるのが、テーブルに並んでいる調味料たちです!
特に、間違えてこってり系のお店に入ってしまったあっさり派の方の味方になってくれるのが、お酢です。こってりしたスープはもちろん、油そばなど脂っこいものでも、お酢をかけるだけでだいぶ箸が進むようになりますよね。
お酢はどうして、脂っこいものを食べやすくするのでしょうか?その理由に迫ってみましょう!
お酢をかけるとスープの中で争いが勃発
濃厚とんこつラーメンのようなこってりしたラーメンのスープは、そのままでは交じり合わないスープ(水)と油が、とんこつなどに含まれている「ゼラチン」などよってくっついてる状態です。こうした、水と油が上手く混ざり合っている状態を「乳化」といいます。牛乳やマヨネーズなども乳化の代表例で、とんこつラーメンが白濁しているのも乳化しているからなのです。
ところが、この乳化は、所詮は犬猿の仲である水と油を無理やり仲良しにさせているに過ぎません。水は水、油は油同士で寄り添っていたいというのが彼らの本心。ちょっとしたことで別れちゃうことがあります。
お酢を投入された時も例外ではありません。
お酢は、強い酸性です。多くの物質にとって、周囲の酸性の度合い(pH)というのは、人でいえば暑いか寒いかぐらい環境として違うものです。せっかく乳化して結びついてる水と油の間に、強い酸性の雨が降り注いできたら…
水「俺、やっぱお前と仲良くするのやめるわ」
油「エッ・・・マジで・・・」
せっかく結びついていた水と油の友好を壊すことにつながります。
そうなると油は油同士で仲良くしたいのですが、今度はそれをお酢が邪魔します。お酢は、油分子同士の仲を邪魔する(分離させる)働きも持つのです。脂っこさは、油分子が寄り添い合っている時に特に強く感じます。お酢をかけると油分子同士の寄り添い合いが遮断されるので、脂っこさが減って食べやすくなるのでした。
このような理由で、お酢は脂っこさを軽減します。ラーメンのスープがこってりすぎる時はぜひ、お酢を投入して水と油に喧嘩させましょう!