外食は塩分の高さがわかりにくい
マクドナルドの「フライドポテト」や、ケンタッキーの「ビスケット」は、誰もが一度は食べたことがおありでしょう。老若男女に人気のファストフードには、私たちが思っている以上にたくさんの塩分が含まれています。
塩分を多く摂りすぎると、高血圧を引き起こし、長く続くとそれが脳梗塞、心筋梗塞、ガンなどの原因となります。特に外食をする場合は、何にどれだけの塩分が含まれているのか分かりづらいので気をつけなくてはなりません。ちなみに、2015年版の日本人の食事摂取基準では、1日男性では8g未満、女性は7g未満を目標量と取り決められています。
それでは、外食をするときに塩分の高さをどう見抜けばよいのでしょうか?一つは、食べてみて「しょっぱい」かどうかです。しかし、しょっぱさと塩分の高さは比例しない場合もあるのです。一体どういうことでしょうか?
味覚だけで塩分の高さは見抜けない?
人の味覚は塩分の高さを見抜けるのでしょうか。冒頭の例に出した、マクドナルドの「フライドポテト」とケンタッキーの「ビスケット」を試しに比較してみましょう。検証は、味覚を数値化できる味覚センサー「レオ」を使いました。
その結果、フライトポテトの方がしょっぱさが強いことがわかりました。これは大方イメージ通りの結果かと思われます。
続いて、どちらの方が塩分が高いのか、100g中の食塩相当量を見てみましょう。
マクドナルドの「フライドポテト」:0.4g
ケンタッキーの「ビスケット」:1.1g
なんと、ビスケットにはフライドポテトの倍以上の食塩が含まれているのです!
パンやビスケットといった、小麦粉を使った生地を焼き上げた食品には実は食塩が欠かせません。食塩は、小麦粉と水をこねた時にと形成されるグルテンというタンパク質の網目構造を強く安定させたり、焼き上げる時の膨張性をアップさせたり、生地殺菌作用があると言われています。
したがって、小麦粉を使った食品には食塩がよく使用されているのですが、生地に練り込んでしまうと分かりづらくなるのです。反対に、フライドポテトのように食品の表面に付いた食塩には人は強く味を感じやすいのです。
このことから分かるように、私たちは日頃の何気ない食生活の中で、知らず知らずのうちに1日の摂取量を超える食塩を摂取している可能性があるのです。外食をする際には、カロリーだけでなく、塩分にも目を向ける習慣がつくと良いですね!