■運動前後で味覚は変わる?
運動をした後に飲むスポーツドリンクと、喉が渇いていない時に飲むスポーツドリンク。
同じドリンクを飲んでいるはずなのに、飲むタイミングによって味が変わると感じたことはありませんか?
実はそれは錯覚ではなく、実際に飲み物は同じでも味覚が変わる事があるのです。
「オマエは一体何を言っているのか??」
まあまあそう言わずに、ぜひ続きをお読みください!
■味覚を変える二つの要素
味覚が変わる理由は主にこの2つです。
1つは体が欲しい成分、もう1つは唾液の性質です。
運動後は、体は運動によって失われた成分が欲しい状態になっています。
具体的には、クエン酸や糖分、塩分などです。
このため、これらの成分を含む食べ物を食べたくなるように、体がトリックを使ってきます。
その一つが、唾液をいつもとちょっと変えるトリックです。
■唾液がネバネバになると
体内の成分だけでなく、運動後は水分が大幅に失われます。
こうした時、出てくる唾液はネバネバと粘性の高いものに変わります。
ネバネバした唾液には、いくつかの成分が含まれており、それにより食べ物由来の味覚に影響を与えるようになります。
その影響とは…酸味を感じにくくし、対照的に甘味や塩味を感じやすくなるというものです。
■唾液の変化で一石二鳥
クエン酸は酸味が強いものですが、人に寄っては酸っぱさが苦手なことがあります。
そこで、酸味への感度を下げる事によって、酸っぱいものを食べやすい状態にするのです。
また、人が美味しいと感じやすい甘味や塩味への感度も上がる事で、甘味と塩味を摂取したときの「美味しいという刺激」が強くなります。
つまり、甘味と塩味を含む食べ物をもっと食べたいように仕組んでいるのです。
このように、唾液をネバネバにすることで、本来苦手である酸味、本来好まれる甘味と塩味を効率的に摂取できるようになっているのです。
運動後に味覚が変わる背景には、こんな秘密があったのでした。
ぜひ、運動後にレモンをかじってみてください。きっといつもより甘く感じられる事でしょう♪
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