あなたの「味覚力」は大丈夫?—味覚力がよくわかるQ&A【完全版】

■「味覚力」を鍛えよう!
味覚を感じる力である「味覚力」
あなたは自分の味覚力に自信がありますか?
味覚力は幼少期の食生活も影響しますが、大人になってからでも十分鍛える事が出来ます。
Q&A形式で味覚力にまつわる知識をお伝えしますので、ぜひ味覚力向上にお役立てください♪

 


 

■「味覚力」Q&A

Q1.味覚力って大人でも鍛えられるんですか?
A1.はい、鍛えられます。
味覚の刺激を受信するのは舌の上にある味蕾(みらい)ですが、味覚を”感じる”のはです。
は環境によって柔軟に変化していく性質を持っています。
たとえば、視力を失うと聴力がもっと鋭くなるというのも、脳が変化するためです。
このため、日頃から食べ物の味覚を意識することで、味覚を感じる脳の領域を広げることが出来ます。

Q2.味蕾って大人になるにつれて減っていくのでは?
A2.確かに、味蕾の数は10歳前後がピークであり、大人になるにつれて減少していきます。
しかし、例えば普段の生活において、環境音や雑音というのは、耳に入っていても意識していないと思います。
音という刺激があっても、意識していなければ、脳が「感じる」ことにはなりません。
味覚についても同様で、味蕾によって食べ物の味覚という刺激が受信されても、意識していなければ何もないのと同じです。
味蕾の数は多いに超したことはありませんが、少ない味蕾で敏感に感じられるよう意識することの方が重要なのです。

Q3.味覚力を鍛えるにはどうしたらいいの?
A3.味覚を意識することに加えて、なるべく薄味のものを食べる事が大切です。
欧米のお菓子が日本人にとって「甘味が強すぎる!」と感じるのは、日本人が弱い味(薄味)でもきちんと認識することができるためです。
日本は「旨味」を発見するほど繊細な味覚をもつ国ですが、それは和食が薄味であることが理由の一つです。
薄味に慣れることで、味の繊細さ微妙な味の違いなどを感じられるようになってきます。

Q4.「味覚を意識する」ってどうやればいいの?
A4.味覚は5つの要素で成り立っています。甘味・旨味・塩味・酸味・苦味です。
まず食べ物を食べる時に、その食べ物がこの5つのうちどの味覚を含んでいるかを考えます。
さらに、どの味覚が強いか・弱いか、そうしたことを自分なりに分析するのです。
自分の感覚が正しいか分からないときは、ほかの人と食事をしながら一緒に分析すると良いですよ。
分析というと難しく思えますが、つまり5味と味の強弱に意識を向けるだけで良いのです。

Q5.今更ホントに鍛えられるの?年齢によって衰えていくんじゃない?
A5.もちろん個人差や幼少期の食経験によって差はありますが、大人になってからでも十分間に合います。
年齢が上がっても活躍されている料理人やソムリエはたくさんいるように、遅すぎることはありません

Q6.そもそも味覚力が衰えるとヤバいの?
A6.将来的に弊害が出てくる可能性があります。
というのも、薄味で塩味や甘味を感じられなくなると、塩分や糖分を取りすぎてしまうことに繋がるからです。
塩分や糖分の取り過ぎは生活習慣病を引き起こし、お年を召してからの幸福な生活に支障を来します。
味覚力を鍛える事は、そうした将来の病気を防ぐ働きもあります。

いかがでしょう。味覚力についてお分かりいただけましたでしょうか。
まだまだ知りたい事がございましたら、ぜひ味博士のTwitterにてご連絡ください。
随時追記していきたいと思います!(2015.4.21最終更新)

 

*関連記事

【驚き】味覚音痴が牡蠣を食べると・・・ 

【まとめ】味覚についての基礎知識をおさらいしよう!

日本人は本当に旨味(UMAMI)が分かるのか?

 


 

味覚の話題なら味博士にお任せ!

FacebookTwitterもぜひチェックしてください♪

 

当ブログでは、味覚に関する企画を募集しております。味博士に聞いてみたい味覚の謎、気になるおいしい食べ合わせなど何でも結構です。ご気軽に問い合わせフォームまたはコメント欄にご意見をお寄せ下さいませ。

味覚に関する詳細は拙著をご覧ください。

 

 

 

 

【「味覚力」を鍛えれば病気にならない (講談社プラスアルファ新書) [新書]】
■鈴木 隆一 (著)
■講談社プラスアルファ新書
■税込¥ 905

味覚の知識カテゴリの最新記事