各地のお食事処でも、冬季限定のカキフライ定食なんかが出始めていますね。
さて、タイトルの通り、味覚が鈍っている方がカキを食べるとどうなるか、ご存知ですか?
今日はカキと味覚の関係についてお話しします。
答えはずばり、カキを食べると味覚力がアップ、すなわち味覚が鋭くなるのです!
その秘密は、カキに含まれる亜鉛です。
牛肉や豚肉、卵などのタンパク質と比べて、カキは亜鉛を多く含んでいます。
100g当たりで見てみますと、牛肉(肩ロース)が4.6mg、卵黄が4.2mgなのに対し、カキは13.2mgと3倍以上も含まれています。
カキを100g(大きいサイズで約5個分)食べる場合と、牛肉を200g食べる場合を比較しても、カキの方が亜鉛を多く摂取できますね!
では亜鉛がなぜ、味覚力アップに関係あるのでしょうか?
亜鉛は、細胞分裂に必須のミネラルであり、味を感じる味蕾(みらい)細胞はとても短いサイクルで新生しているため、亜鉛を頻繁に必要としています。
このため、亜鉛をきちんと取ることで味蕾がきちんと働いてくれるので、味覚力がアップするのです。
また、せっかく亜鉛を摂取したのですから、その効果を最大限活かしたいですよね。
加工食品や保存料に含まれるポリリン酸やフィチン酸などの物質は、亜鉛の働きを阻害することが知られています。
このため、普段から添加物が入っているような保存がきくものをあまり食べないように意識することが、カキ亜鉛パワーを享受する為に必要なのです!
皆さんも、この冬はカキを楽しみつつ、なるべく自然なものを食べるよう心がけてみてはいかがでしょうか?
*秋の味覚をお菓子で味わおう!
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