先日、パリ市内のメトロに乗っていたら、ママが赤ちゃんに哺乳瓶でミルクを与えておりました。
通常ならば微笑ましい光景ですが、一つだけ、つい二度見してしまう点がありました。
それは・・・
哺乳瓶の中身がココア色な点・・・!
乳幼児がココアを与えられている姿は日本ではあまり目にしない気がしますが、これは文化の違いなのでしょうか?
海外の粉ミルク事情を見てみると、味覚に関わる面白いことが分かりました!
■日本と海外の粉ミルクは、ちょっと違った!
日本の粉ミルクは、生乳を母乳の成分に近づけて粉状にしたものがほとんどだと思います。
離乳が進んだ赤ちゃんには、離乳食で不足しがちな栄養成分を含んだ「フォローアップミルク」と呼ばれる粉ミルクが与えられたりもします。
しかし、これらはいずれもあくまで生乳がベースであり、色も白色です。
一方、海外の粉ミルクは、多様性に富んでおりました!
日本のように生乳ベースの白色の粉ミルクは勿論のこと、
バニラ味やチョコレート味といった味付けのされた粉ミルクも売られています。
味の種類は豊富で、くまなく探せば、ベーコン味の粉ミルクも発見できます。
これらの味付きミルクは、ミルクの苦手な赤ちゃんでも飲めるような工夫なのでしょう。
■味覚の差は、乳幼児期からスタートしていた?
先日こちらの記事でも発表した通り、日本人と外国人で味の感じ方が異なります。
また、欧米人の好む甘味は、日本人の好む甘味より強いことも分かっています。
人の舌の味覚センサーは、幼少期からの食経験の積み重ねで作られていきます。
このため、乳幼児期のミルクも味覚に影響しうるのです。
たとえば・・・
1歳を過ぎたあたりから普通のココアが飲めるようになると言われています。
もし赤ちゃんがココア風味の粉ミルクを好きであれば、普通のココアを好むようになる確率が上がるでしょう。
ココアは砂糖も含まれており甘いので、ココアを飲む回数が増えると、小さいうちから甘味の強いものに慣れてしまうことになります。
そうすると、もっと甘味の強いものが欲しくなり、強い甘味を好む舌になっていく可能性があるのです。
欧米人が強い甘味を好むようになるのは、こうした粉ミルク時代の影響があるのかもしれません!
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