「脂身があってこそのステーキ!」という方もいれば、「脂っぽさは全面除去!」と断固として脂身を切り離す方まで、いろんな方がいらっしゃると思います。
ホットペッパーグルメリサーチセンターの実施したアンケートでは、「赤身派」よりも「脂身派」が多いことが明らかになったようです。
ソース元:リクルートライフスタイル『牛肉の好み、女性や高齢になると「赤身派」が増加 女性は「ヘルシー」、男性は「味」を評価 ~「ホットペッパーグルメリサーチセンター」調べ ~』http://www.recruit-lifestyle.co.jp/news/gourmet/news1230_20140515.html(2014/10/23取得)
確かに適量の脂身を赤身と一緒に食べると、絶妙な美味しさが口に広がりますよね。
ところで、脂身の味というのは、噛めば噛む程感じられるような気がしませんか?
例えば、噛まない状態の脂身を舌の上に載せても、そんなに味がしないと思います。
この理由は、食品中では中性脂肪(サイズ大)として存在していたものが、口の中で咀嚼する事で脂肪酸(サイズ小)まで分解され、その脂肪酸が舌の上で認識されることで味を認識するようなしくみになっているためです。
また、脂肪の味に対して敏感であるほど太らない、というような研究結果もあるようです。
「えっ!?生まれつき敏感な人、羨ましい!」
安心してください、実はそうではないのです!
脂肪の味に対する感受性が下がるのは、普段から脂肪分の多いものを摂取していることが一因です。
つまり、脂肪分が多いものを食べるから太る事と、それによって脂肪の味に鈍感になって行く事は、同時に進行していくため、このような結果が出るのだと言えるでしょう。
逆に言えば、脂肪分の多いものをあまり食べない事で、太らないだけでなく、太りにくい舌を作ることに繋がっていくのではないでしょうか。
脂肪の味に鈍感であるより、敏感である方が、取り過ぎている時に「過剰な刺激だ!」と気づく事が出来るからです。
そのため、食べる脂肪分の量を減らす意識だけでなく、脂肪分をよく噛んで少ない量で脂肪の味をたくさん受け取る事で、食欲を満足させる事も大切ですね。
もちろん、体の健康を維持する為に適量の脂肪分は必須ですので、極端に控えるのはNGですよ!
これから冬になるにつれ、食欲が増し増しになっていくものです。
味覚を意識することで、少しでも脂肪分の食べ過ぎを抑えて行きましょう!
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