彼女「今日のデザート甘かったなあ、まだ口の中が甘いわ」
彼氏「その割にはたくさん食ってたよな(笑)。でも、飲み込んでも味がまだ残っているなんて不思議だよな」
彼女「そりゃあ、味が濃いからその感覚が残るんじゃないの?」
彼氏「でも、酸っぱい、っていう感覚は続かない気がするぜ」
ふむふむ、この彼氏、なかなか鋭いではないですか!
今日は、長続きする味としない味についてお話します!
以前こちらの記事で、砂糖と甘味料の違いを解説したときにも、後味の違いについてお話しましたが、5味間を比較しても、後味が残りやすいものと残りにくいものがあるのです。
酸っぱい、つまり酸味は、長続きしない味です。
食べ物の中の、水素イオンなどの酸味物質が口に含まれると、口の中が酸性になると同時に、すぐさま唾液が出てきます。
その唾液の中には、重炭酸イオンが含まれていて、これにより口の中が酸性から中性に戻されます。
唾液が分泌されるのが早いほど中性に戻るのが早いため、酸味の濃いものを食べてもすぐに酸っぱさは消えてしまうのです。
これが、酸味が長続きしない理由です!
酸味と同様に、塩味もあまり長続きしません。
しかし、甘味・旨味・苦味には持続性があります。
これは、酸味物質と塩味物質が小さなイオンであるのに対し、それ以外の味の物質は砂糖やグルタミン酸ナトリウム、カフェインなど、イオンよりもはるかに大きい物質であることが関係しているようです。
ざっくり言えば、味を伝える時の化学反応が違うんですね!
皆さんも次回の食事で、ぜひ後味や舌の上でおきている反応を意識してみてくださいね!
*味覚センサーは、ヒトの舌の反応を模倣してるんですよ!
関連記事:【味覚センサーの仕組み(2)】味覚センサーと味の定量化
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