睡眠不足は「ジャンクフードを食べたい」という欲求を助長する

私たち現代人を悩ませる「睡眠の質の低下」問題。睡眠不足が体に与える悪影響のニュースは止まるところを知りませんよね。

そのひとつが「肥満」の関係です。

今回、医学誌『ジャーナル・オブ・ニューロサイエンス』に睡眠不足とジャンクフードの関連を発表したのは、ドイツのケルン大学とハンブルグエッペンドルフ大学の研究チームです。

「睡眠不足が報酬系を担う回路に影響を与えて肥満の発症を促進する」

これがドイツの大学の研究結果[*1]。では、具体的にどんなことが体内で起こっているのでしょうか。

「睡眠負債」によって崩れるホルモンのバランス

近年生まれた「睡眠負債」という言葉は、それを自覚していない現代人の慢性的な睡眠不足が生み出す、さまざまな疾病や心身への影響に警鐘を鳴らすために使われています。

その影響のひとつが、ホルモンのバランスの崩れです。具体的に言えば、食欲を刺激するホルモン「グレリン」と、満腹感をつかさどるホルモン「レプチン」の産出と放出のバランスが崩れてしまうのです。

そして今回のドイツの研究では、脳機能イメージングにより報酬系の2つの脳の領域「扁桃体」と「視床下部」でこれまで発見されなかった動きが見えたのだそうです。

糖分や脂肪分が多い食べ物への欲求が高まる脳の動き

偏桃体と視床下部では、睡眠不足によってホルモンのバランスが崩れる前から行動が起きていました。

睡眠不足の被験者の脳は、食べ物が視界に入ると刺激を受けるだけではなく、それ以外のものを見ていても「食べたい」という欲求を刺激されていたのだそうです。

これは睡眠が満足にとれていた被験者には見られなかった現象。

そして、扁桃体の過剰な活性化により、食べ物の嗜好がスナックや甘いお菓子、脂肪分が多い食材へと移行する傾向があることは、過去の研究でも明らかになっているんです。

カナダのモントリオールにあるマギル大学の過去の研究では、肥満の人の「扁桃体」は通常よりも肥大気味であると判明しています[*2]。

今回のドイツの研究とカナダの研究を統合すると、睡眠不足はまちがいなく肥満への道へと続いています。

ここ最近、やたらと甘いものやスナック菓子が食べたい人、睡眠不足に心当たりはないですか?

睡眠の質を向上させれば、食生活も健全化する可能性が高いようですよ…!

参考:
*1 Sleep deprivation selectively up-regulates an amygdala-hypothalamic circuit involved in food reward
*2 Neurobehavioral correlates of obesity are largely heritable

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