海水浴や花火大会、山登りにバーベキュー!夏は楽しいレジャーが満載です。様々なレジャーがありますが、暑い日が続くと「流しそうめんをやろう」という話が出てくることも。
流しそうめんは涼しく、楽しく、美味しいですよね。そんな流しそうめんですが、実は適切に行なわないと食中毒に感染する可能性があるんです。
流しそうめんを食べて食中毒に感染した事例がある!?
流しそうめんに食中毒のイメージはあまりないかもしれませんが、実は感染した事例があります。過去、平成27年6月20日に宮城県仙台市で、7月下旬に山形県東根市で起こっているんです[*1,*2, *3]。
仙台市の事例では地域行事の流しそうめんで起こりました。ノロウィルスによる食中毒で、水道の蛇口とホースの接続部品にノロウィルスが付着していたことが原因とみられています。100人中47人が感染したそうです。
東根市の事例では沢水を利用した流しそうめんで発生。病原性大腸菌による食中毒で、沢水が原因とみられています。沢水は冷たく澄んだ見た目とは裏腹に有害な細菌やウィルスが混入していることもあり、89人中54人が感染したそうです。
それぞれの事例で病原体は異なりますが、このように流しそうめんでも食中毒になることがあります。
では、流しそうめんでの食中毒を防ぐためにはどのような対策をしたら良いのでしょうか?
口にするものや器具に気を付けよう!
流しそうめんでの食中毒に対する予防策を新潟県が発信しています[*3]。
そもそも流しそうめんは屋外で行なわれ、不特定多数が参加するため、非常に衛生管理の難しい食品だそうです。流す人の手や竹の洗浄や消毒、水の管理、そうめんは茹でたらすぐに食べる……といったことに気を付ける必要があります。
手や落とした箸を流れてくる水に入れるのも感染の原因に。様々な注意点があるので、流しそうめんは衛生管理のできる範囲で行ないましょう。
また、先ほど述べたように、沢水には有害な細菌やウィルスが含まれている可能性があります。流しそうめんに沢水は利用せず、水道水のようなきちんと管理された飲用水を利用することが推奨されています。
ノロウィルス予防の観点から言うと、二次感染を防ぐことが肝心となります[*4]。ノロウィルス感染が疑われる人にそうめんを茹でさせない、流し係をさせないことが大切です。調理器具の洗浄、消毒にも気を配る必要がありますね。
感染性大腸菌は沢水に含まれる可能性がある他、生肉に存在する可能性も[*5]。生肉を触った手や調理器具でそうめんや流しそうめんの道具に触れない、触れる必要がある場合はきちんと手を洗うといったことが重要となってきます。また、ノロウィルスと同様に調理器具の洗浄、消毒も大切です。
意外かもしれませんが、流しそうめんは衛生管理の難しい食品。夏に冷たく涼しげな流しそうめんをしたい気持ちもっともですが、きちんと準備せず行なったり、管理しきれないほどの規模で実施したりすることは避けた方が良いでしょう。
夏を楽しく過ごすためにも、流しそうめんは管理できる範囲で衛生面に配慮した準備を行なったうえで楽しみましょう!
参考:
*1 仙台市「食中毒事件一覧」
*2 山形県「食中毒の発生状況-平成27年」
*3 新潟県「食のインフォメーション・メールマガジン第401号」
*4 厚生労働省「ノロウィルスに関するQ&A」
*5 公益社団法人日本食品衛生協会「病原大腸菌食中毒(知ろう!防ごう!食中毒)」
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