「外国人に日本の変わった食べ物を食べさせたときのリアクションを見てみよう」そんなテレビ番組の企画で必ず登場する納豆。ネバネバしていて、独特のニオイ、食感、味を持っていますよね。
ゆえに、嫌いな人も多いです。そして、おそらくこの記事を読んでくださっているあなたは納豆が嫌いなことでしょう。今回はあなたの「なぜ自分は納豆が嫌いなんだろう?」という疑問に対する答えを味覚的観点から解説していきたいと思います。
知らない味に対してはまず警戒本能が働く
味覚は、生物が体に必要な成分を選別するための機能を担っています。例えば、酸っぱいものや苦いものは自然界では腐敗・毒のしるし。実際、長く置いてしまった食材を口に入れてみたら痛んでいたから吐き出して捨てた……そんな経験があるかたもいるでしょう。
このように、まったく新しい味の食べ物を口にしたとき、まず働くのは警戒本能。「この食べ物は食べられるのか」「食べて大丈夫なのか」といったところです。ゆえに、初めて食べた食べ物を「美味しい」と感じることはなかなかありません。
甘味や塩味のように体のエネルギー源となるような味覚の場合は、もともと本能的に求めているものですから、最初から警戒心なく食べられます。一口食べてやみつきになってしまう、ということもあるでしょう。
しかし、酸味や苦味といった味覚の場合、そうは行きません。量を食べ、味に慣れる必要があります。
味に慣れてくると、脳「この食べ物は安全だ、安心して食べられる」と認識します。そして初めて「これ、好きかも」と評価できるんですね。
嫌いになる理由のひとつ、「食体験」
まず「この食べ物は食べられるのか」という警戒ゾーンを突破しなければ、食べ続けること、ましてや好きになることなどできません。一度食べて「まずい!もう食べたくない……」と思って食べなくなれば、好きになることは難しいです。
とくに納豆は、腐っています。味覚どころか視覚的にも、腐っていることがわかります。警戒ゾーンも大きいでしょう。食に対する警戒心が強い人の場合、あのネバネバやニオイ、食感、味等から「体にとって危険なものだ」と判断し、食べなくなってしまう可能性が高いです。
とくにこの傾向は、食体験が少なく本能が強い小さい子どもでは一層強くなります。
「好き嫌いなく食べる」といった家庭のしつけなどで食べて慣れていれば別ですが、食べる機会がほとんどないまま大人になると、幼少期に一度食べてまずいと吐き出した食べ物はずっと嫌いなまま……ということも珍しくありません。
ちなみに、「小さい頃は食べられなかったのにいつの間にか食べられるようになっていた」というのは、大人になり食体験が増えたことで、未経験の警戒の対象となる味が減ったことによるものです。
どうすれば納豆を好きになれる?
だからといって、嫌悪感を我慢して食べ、慣れれば好きになれるのかというと、そうではありません。いくら食べても嫌いなものは嫌い。我慢して食べてもストレスが溜まるだけです。
これは、脳の思い込みによるもの。「嫌い」と強く認識してしまったらどうしても嫌悪感が先行してしまうので、たくさん食べて味に慣れるどころの話ではなくなってしまいます。
もしかすると食べ続けているうちに味に慣れ、平気になってきた……というパターンもあるかもしれませんが、期待値としては低いでしょう。
おすすめなのは、ありきたりかもしれませんが「好きな味のものと組み合わせること」。マヨネーズが好きならばマヨネーズを加える、ネギが好きならばネギを加える、いっそのことカレーに入れてしまうなど。
好きまで行かなくても「これを入れれば食べられるかも」程度でも良いでしょう。納豆単体を食べるよりもはるかに楽なのではないでしょうか。そうして食べているうちに少しずつ慣れ、いつの間にか食べられるようになっているかもしれません。
一度「大丈夫だ」と認識してしまえば、好きまではいけなくとも強い嫌悪感を抱かず食べられるようにはなるはず。道のりは険しいかもしれませんが、「慣れ」です。毎日少しずつ頑張ってみてくださいね。
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