ピリリとした辛さがクセになる唐辛子。ですが、ほどほどの辛さなら良いものの、一歩間違うと激辛料理になってしまう危険性をはらんでいます。
そうした事故を防ぐため、「辛くなりすぎないように」と種を1つ残らず綺麗に取っている方もいるのではないでしょうか。
しかし実際、唐辛子の辛味成分「カプサイシン」が一番多いのは、種ではないんです。
カプサイシンが多く含まれるのは「胎座」
個体差は大きいものの、唐辛子の辛味成分「カプサイシン」はそのほとんどが胎座に含まれています。種が辛いと感じるのは、胎座にくっついているから。辛味を抑えたいのであれば、胎座を綺麗に取り除きましょう。
辛さを抑えることに全力を出すのであれば、胎座、種、隔壁に至るまで内側のものを全て取り除いておけばOKです。
ただし、乾燥した唐辛子を使う場合は胎座を切り離すのは至難の技ですから、大人しく種を取るしかありません。乾燥唐辛子の場合、色や部位によってカプサイシンの量に違いが生じることはほとんどないようです[*]。
カプサイシン量を減らすなら室温保存
乾燥した一味唐辛子の袋を、室温(密封)・室温(未密封)・冷蔵庫(密封)・冷蔵庫(未密封)の4種類の方法で保存し、経時によるカプサイシン量の変化を調べた実験[*]によると、室温(未密封)>冷蔵庫(未密封)>室温(密封)>冷蔵庫(密封)の順番で少なくなっていたようです。
室温(未密封)では保存開始から150日後の段階で、カプサイシン量が約10%も減少していたそう。
かといって袋を開けて保存するのは品質的に不安も残りますから、密封はしたほうが良いでしょう。辛味を抑えたい場合は冷蔵庫よりも常温で保存するようにすると良さそうですね。
ちなみに、唐辛子の辛味成分であるカプサイシンは油に溶け出る性質がありますが、油が熱いうちはその力を十分に発揮していません。カプサイシンが辛くなるのは油の温度が下がってから。味見をする際は冷めた状態でするようにしてくださいね!