リンゴの皮に付着した農薬を除去するには

丸かじりやうさぎリンゴなど、リンゴを皮ごと食べる機会って結構ありますよね。そのとき少し不安になるのは、リンゴの皮に付着した殺虫剤などの農薬。

リンゴを農薬無しで育てるのは非常に難しいそう。日本では農林水産省、厚生労働省が薬効・薬害・安全性や残留など、農薬に対する審査を設けており、野菜や果物に付着した農薬は水洗いする程度でも人体への影響はないと言われています。

そうは言っても「農薬」と聞くと構えてしまうのが心理というもの。こうした化学薬品を簡単に安価に除去する方法が、マサチューセッツ大学の研究チームによって発表されました。

わずか15分で効果が現れたのは、重曹水に浸けたリンゴ

研究チームによると、重曹を使ったこの方法でリンゴの皮に付着した化学物質のほとんどは除去が可能だといいます。この実験は、米国化学会が発行する「ジャーナル・オブ・アグリカルチュラル・アンド・フード・ケミストリー」紙に掲載されたもの。

使用されたリンゴはガラ種。皮に付着していたのは、チアベンダゾール、殺真菌剤(Fungicide)、ホスメット、殺虫剤(Insecticide)です。このリンゴを流水、重曹1%水、次亜塩素酸ナトリウム(漂白剤)に24時間浸け、経過が観察されました。

効果があったのは重曹水。重曹水に浸けられたリンゴは、わずか12分~15分で皮に付着していたチアベンダゾール、ホスメットが100%除去されたそうなんです。

とはいえ、チアベンダゾールもホスメットも外皮から果肉内部に浸透していることも判明しました。内部に浸透した薬剤の除去は、行った3つの実験のいかなる方法でもできなかったとのこと。

実験では12〜15分の浸漬で100%除去という結果が出ていますが、長く浸しているとビタミンまでも犠牲になってしまいます。それでは本末転倒なので、除去率は下がるものの、浸ける時間は1分程度に留めておくと良いかもしれません。

……それでも気になる場合は、やはり厚めに皮をむいて食べるか、あるいは多少高価でも有機栽培のリンゴを食べるのが無難です。

参考:
農薬の基礎知識 詳細:農林水産省
食品中の残留農薬等 |厚生労働省
Effectiveness of Commercial and Homemade Washing Agents in Removing Pesticide Residues on and in Apples – Journal of Agricultural and Food Chemistry (ACS Publications)
リンゴの皮と実で残留農薬量を比べたら

 

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