飲む意味がある野菜ジュースは何色?〜抗酸化作用編〜

飲む意味がある野菜ジュースは何色?〜抗酸化作用編〜

忙しくて外食の頻度が増えていくと、ついつい野菜が不足しがちです。そんな時に手っ取り早く野菜を食べたつもりになれるのが、野菜ジュースですね。しかし、巷では、野菜ジュースを飲んでも野菜の代わりにはならないとか、野菜ジュースには栄養成分が大して含まれていないという説もささやかれています。本当のところはどうなのでしょうか。

今回は、野菜のはたらきの1つである「抗酸化作用」が、野菜ジュースの中でも残っているかどうかを調べた研究をご紹介します!ヴェールに包まれた野菜ジュースの効果の1つを実験で調べた、貴重な研究と言えるでしょう。

活性酸素を除去できる野菜ジュースはどれ?

東海学園女子短期大学と椙山女学園大学の研究者らは、野菜のもつ抗酸化作用に注目して実験を行いました。

人の体の中では、正常な代謝の過程で「活性酸素」と呼ばれる物質がどうしても作られてしまいます。活性酸素はDNAを傷つけて、細胞を老化させるなどの害を及ぼします。野菜の色素成分は、細胞が活性酸素によるダメージを受けにくくするはたらきを持っており、これを抗酸化作用と呼びます。研究者らは、野菜を野菜ジュースにしたときにも、抗酸化作用が残っているかどうかを調べました。

実験では20種類の野菜を野菜ジュースにしました。色別で表すと次のとおりです。
・紫系(色素:アントシアニン)・・・紫タマネギ、紫キャベツ
・赤・オレンジ系(色素:カロテノイド)・・・トマト、ニンジン
・白系(色素:フラボノイド)・・・モヤシ、タマネギ
・緑・黄系(色素:クロロフィル)・・・サニーレタス、カイワレダイコン、ホウレンソウ、サラダナ、レタス、ニラ、カボチャ、ピーマン、キュウリ、チンゲンサイ、ハクサイ、キャベツ、ブロッコリー、アマランサス

これらを生の状態でジュースにしたものと、加熱してからジュースにしたものを用意し、活性酸素の量を測定できる特殊な方法(ニトロブルーテトラゾリウム法とルミネッセンス法)を用いて、野菜ジュースによって活性酸素がどのくらい減るかを調べました。

紫色は効果あり、オレンジは効果なし?

実験の結果、生の野菜で作ったジュースでは、20種類すべての野菜で活性酸素を除去する能力が残っていました。生の野菜をミキサーにかけるなどしてその場で作られたタイプの生野菜ジュースは、抗酸化作用が十分期待できると言えそうです。

しかし、加熱した野菜で作ったジュースでは、野菜の種類によって結果が異なりました。紫系の紫タマネギや紫キャベツは、加熱しても活性酸素を除去する能力が残っていました。紫色の野菜ジュースには抗酸化作用が期待できそうです!

赤・オレンジ系のトマトとニンジンは、加熱をすると活性酸素除去の能力が失われてしまいました。特にニンジンはほとんど完全になくなりました。白系のモヤシやタマネギも、加熱と共に能力が低下する傾向にありました。ただし、測定法によっては、トマトやタマネギでも活性酸素除去能力があるという結果も出たようですので、確実に抗酸化作用が期待できないと言えそうなのは、ニンジンとモヤシでしょう。オレンジ色の野菜ジュースは抗酸化作用にはあまり向いていないのかもしれません。

最後に、緑・黄色系の野菜では、ブロッコリーとカイワレダイコンには、加熱後も活性酸素を除去する能力が残っていました。一方で、キュウリやカボチャ、レタスでは能力が失われていました。ただ、緑・黄色系は全体的には抗酸化作用が少しは残っている傾向にありました。緑色のジュースも、それなりに抗酸化作用が期待できるかもしれません。

もちろん市販の野菜ジュースには、様々な種類の野菜が入っていますので、一概に色で効果を区別することは難しいです。また、野菜には他の栄養効果もたくさんあり、今回はあくまで抗酸化作用に絞った話です。ただ、抗酸化作用を期待したい場合は、紫色や緑色の野菜ジュースがより効果を発揮してくれる可能性がありそうなことが分かりました。ぜひ野菜ジュース選びの参考にしてください!

参考:野菜ジュースのスーパーオキシドアニオンラジカル消去能とその加熱処理による変化 

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